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2006年1月16日 (月)

ミスキャストっていうか

録画しておいた「名探偵ポワロ」4本を見ました。
全部原作を読んでいるのでストーリーは知っていて、私にとってのドラマの見所はキャストや衣装とセット、それからどんなふうに脚色したか、というあたり。

「ナイルに死す」は以前にも書いたとおり、エンディングの演出がとても秀逸。
原作の描写をそのまま使いながら、原作よりも余韻が残る終わり方。

「ホロー荘の殺人」は、ポワロの登場のしかたと、二三、本筋と関係のないエピソードを削った以外は原作に忠実で、アンカテル夫人がサラ・マイルズ、執事がエドワード・フォックスと、出演者がさりげなく豪華。エドワード・フォックスは映画「ジャッカルの日」で暗殺者ジャッカルを演じた渋かっこいい人です。
それ以外の配役も良くて、原作に忠実というだけでなく、本当に過不足なくドラマ化されていて面白かった。
ヘンリエッタは原作でも特に思い入れのある登場人物だけど、イメージ通り。
以前、「危険な女たち」というタイトルで日本で映画化された時には、ガーダを大竹しのぶが演じたけど、このドラマのガーダも良かったです。

「五匹の子豚」は、回想の殺人というプロットと、同じ出来事が様々な視点で語られるというところが好きな小説です。
事件の舞台となる屋敷、依頼者の名前などいくつかの設定がに変更が加えられていたり、登場人物のイメージが原作と違っていたりしたけれど、まあ許容できる範囲。原作に漂う独特の雰囲気は感じることができた。
ただ、キャロラインが「獄中で病死」から「絞首刑」に変更されたために、真犯人の残酷さが強められ、ポワロが真犯人に同情して口にする台詞が削られていたのが残念。
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「なぜ、わたしのことを同情してくださるんですの?」

「あなたには、まだまだ学ばねばならないことがたくさんあるからですよ」
「それはなんですか?」
「いろいろな大人らしい感情です--人に対する哀れみとか、同情とか、理解の感情です。あなたが知っているのは愛と憎しみだけなのです。」
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そして「杉の柩」
これもドラマ全体は、まあ良かったと思う。
原作の終盤に出てくるペリー・メイスンばりの裁判の場面が見られなかったのはちょっと残念だったけど。
ただ、許しがたかったことが一つある。メアリ・ゲラードが(控えめにいって)不美人すぎて、あれは「イメージが違う」とかいうレベルじゃなく、ミスキャストというのも生ぬるいと思うくらい。
メアリは、原作では「野生のバラのような」と形容される美人だし、ドラマでも「可愛らしい」といわれる娘。でも、ドラマのメアリは、野生のバラどころか、可愛らしくも感じよくさえ見えなかった。
実のところ、メアリ・ゲラードって原作でも思い入れを感じない女の子なので、誰が演じようがかまわないといえばかまわないんだけど、エリノアとロディの婚約解消の原因となり、それが殺人の動機とされるわけだから、メアリが(控えめにいって)不美人というのは物語としての説得力を欠くし、「メアリが美人であること」は、この場合とても重要。
世の中には「美人じゃないファム・ファタール」も存在するけど、「杉の柩」はそういう話じゃないし、普通に美人を出せば視聴者は納得するのだから、本筋と関係ないところで違和感を持たせないでほしかった。
本当なら、エリノアのほうが思い入れのある登場人物なので、そっちのほうがイメージのずれには違和感を持つはずなのだけど、メアリに驚いてどうでも良くなってしまいました。

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