スーパー・レッスン
去年の話になるけれど、ザッヒンク゜をしていたらNHK教育テレビで「スーパーピアノレッスン」という番組をやっていて、教え方がユニークだったのでそのまま最後まで見てしまった。
「スーパー」がつくとおり、初心者向けのレッスンではなく、「世界の超一流アーティストが、卓越した音楽性と豊かな経験をもとに教える」と銘打った、プロに近い上級者向けのレッスンで、私が見た時の講師はジャン・マルク・ルイサダ、曲はショパンの「スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31」。
どこが面白かったかというと、音の響かせ方を指導する時に「顔を上げて、遠くを見て」とアドバイスしたこと。
ピアノを弾く時に姿勢をよくすることは基本中の基本みたいなものだけど、ただ「姿勢を直せ」というのでなく「顔を上げて遠くを見る」という具体的かつ簡潔な指示に目からウロコが落ちました。
そして、それによって音色は劇的に美しくなったし。
欠点とその解決方法を見つけ出す分析力と、適確に伝える表現力。
こういう教え方のできる「超一流ピアニスト」がいるんだから、世界は広い。
スポーツニュースでオシム日本の練習をレポートしていたけど、久しぶりにわくわくする。
ルイサダといいオシムといい、優れた分析力とアイデアがあれば出来ることはいろいろあるんだと思わせてくれるのがとても楽しい。
なお、教えるのが上手いだけでなく、レッスン後のルイサダの模範演奏(というのか?)が素晴らしかったので、その後CDを買ってしまいました。
長いことショパンはルービンシュタインかアシュケナージと決めていたのですが。
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