レジェンドダブルス
WOWOWでテニスの全仏オープンを見ていたら、試合の後にレジェンド・ダブルスを放送していたので録画して視聴。
これがとても面白かった。
マッケンロー・ジャリード対ナスターゼ・ゴメス組の対戦で、ジョン・マッケンローはすっかり白髪頭になっていたけど、やんちゃな表情とスレンダーな体型は相変わらず。
実況?のダバディが「対戦相手のナスターゼが観客受けを狙ってふざけたプレーをすると怒る」とか、「毎日有酸素運動とトレーニングを欠かさない」というマッケンローのエピソードを紹介していた。
マッケンローというと試合中の審判や観客に対する態度の悪さから「悪童」と呼ばれたわけだけど、不思議とマッケンローのそういう態度に不快さを感じたことはなかった。
自分がマナーの悪い選手に対して寛大なほうとも思わないのだけど。
で、それは、マッケンローの抗議や感情の爆発が「勝負に対する真剣さゆえ」だったからだと思う。
マッケンローのように、「ライン際数センチ」を狙って打つ人にはインかアウトかは、それこそ死活問題で、そういうプレーをするためには人一倍集中を要するだろうし。
ジャッジに黙って従うタイプの選手は、それはそれでスマートだと思うけど、「抗議する」という行為が不当なわけではないと思うのです。
考えてみれば、マッケンローはダブルスでも世界ランク一位になったわけだから、パートナーとの協調性はあったのだろうし、ただやんちゃなだけじゃなかったんですね。
#マッケンローがJリーグでサッカーをやったら、線審相手にキレまくるにちがいない。
現役時代は、マッケンローを特に応援していたわけではなくて、どちらかというと応援している選手の対戦相手として見ることが多かった。
敵として見ていたからこそ、マッケンローのすごさを身にしみて感じたともいえる。
そして、今になって見ると、応援していた選手たちよりもマッケンローのほうが強く印象に残っているから不思議。
「この試合を楽しんでいる自分」がいることで、選手が現役を引退しても、過去に放った輝きがなくなるわけではないのだと再認識した。
今のマッケンローが嘗ての神業のようなショットを打つことはかなわないだろうけど、素晴らしいプレーの数々はしっかりと心に刻みつけているし、ワクワクした自分も確かに存在したわけだから。
JRAの「ジョッキーマスターズ」といい、このレジェンド・ダブルスといい、こういう粋な企画は大好きです。
レジェンド・ダブルスからは話は逸れるけれど、全仏オープンのような大きな大会を見ていて思うのは、強い武器と苦手なプレーを合わせ持った選手が強豪と対戦すると、弱点のほうがあらわになる、ということ。
これはテニスに限ったことではなく、球技には共通のことだけれど、1対1もしくは2対2でプレーするテニスでは、他のスポーツよりも顕著になると思う。
弱い相手には自分の強みであるプレーを駆使すれば勝てるけど、強い相手にはそれが通じない。
武器を封じられて弱点だけをさらけだしてしまうことになる。
で、上にあがれるような選手は、翌年にはその弱点を修正して出てくるし、それができない選手は低迷する・・・。
チームスポーツであるサッカーは、このあたりがわかりにくいし、ドリブルとかFKとか突出したテクニックとか個性を偏重する向きがあるけど、同じことがいえると思う。
個性を伸ばすのは大事だけど、それだけじゃ上に行けない。
中村俊輔は「当たりの弱さ」を克服したから今がある。
一部の人たちからは未だに下手だと思われている鈴木隆行は、ベルギーでは「技術のある選手」と目されていたし、現在の横浜F.マリノスの中でもブラジル人と並んで基本技術は優れているわけで、フィジカルの強さだけに頼ってプレーしてきたわけではありません。
ところで、レジェンドつながりで・・・。
日曜洋画劇場で「レジェンド・オブ・メキシコ」を途中から見たのだけど、終盤に目をつぶされたジョニー・デップが、サングラスを取ると悲惨な顔なのに、再びサングラスをかけると美形に戻っていて、「目だけでなく、頬骨から口元のラインも美しいのね♪」と美形度を再確認してしまった。
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