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2008年1月10日 (木)

辛口ならいいってもんじゃない

週刊文春の「テレビ健康診断」という連載コラム。
亀和田武と青木るえかが隔週で担当しているのだけど、青木るえかのほうは「なんだか趣味があわないな」と感じてから飛ばすことにしていた。
が、なんども大河ドラマをネタにするので、気になってネットで検索してみたら、優駿エッセイ賞出身で、ダメ主婦を売りにしたエッセイを書く人だとのことで人気もあるらしい。
「コミカルな文章を書く人で競馬好き」となれば、本来は(著書に)食指が動いてもおかしくないのだけど、このコラムや本の感想を見る限り、この人の本は遠慮しておく。
言葉のセンスは面白いと思うのだけど、土台になる部分にちょっと疑問を感じるし、下を見ることも時には精神衛生上必要だけど、限度というものがあると思うし。

大河ドラマネタに限っていうと、面白おかしくネタにするのは結構なんだけど、問題なのはそれが面白くもおかしくもなかったことなんである。
作り手と視聴者の間にも「暗黙の了解」というか「ウツクシイ約束」があるけれど、この人がつっこむのはお約束の範疇のことが多いんですね。「今さら」っていう部分。
つっこむのならお約束を逸脱した部分だろうに。
「登場人物の言うことが5分で180度かわった」みたいなことを鬼の首をとったように書いていたけど、物語の時間経過を理解していないとしか思えない。
実際の時間は5分でも、物語の中の時間経過は5分じゃないし。
この人、おそらく大河ドラマとか歴史に興味がないんだと思う。
で、「興味がないなら見なければいいのに」といえばそれまでだけど、それでもどうしてもコラムの題材として必要なら、プロとしてもう少し書きようがあるだろうにと思う。
それに、これが若い子の文章なら、時代劇のお約束など知らなくても多少は許される部分もあるけれど、一般常識や見識がないと許されない年齢に達しているんだし。

同じ号で今井舞とかいう人(ポスト・ナンシー関らしい)が紅白歌合戦と司会者の鶴瓶をぶった斬っていたけど、これも「ダメ、全然ダメ」(by オクレール先生)。
悪口だということが読み取れるだけで何が言いたいのかわからないし、なんとかスパイスのきいたことを言おうとして空回りしているだけ。
こんな文章を載せる文春の見識を疑う。

ナンシー関は偉大だったと今にして思います。
毒舌も卓越した観察と分析があってのことで、「テレビ視聴」ということに対する取り組みが違っていたし、だから毒舌を吐いても面白かったし許された。
好きな人をネタにされたこともあったけど、鋭く分析された上のことなので「ま、いいか」と腹も立ちません。

ちなみに、ナンシー関のコラムで一番笑ったのが、クリーニング店でジャケットのポケットチェックをしてもらっていたら「三遊亭円楽」の写真が出てきた、という消しゴム版画家ならではの逸話でした。


なお、「テレビ健康診断」のもう一人の執筆者亀和田武の回はわりと好きです。
こちらは肩肘張らずに興味を持って見た番組について書いているからかもしれない。

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