浴衣と花火の季節
花火の季節ということで、街で浴衣姿の女の子を見る機会が多い。
今は帯とセットで吊るしの浴衣が売られていて、価格も手頃だし、若い女の子が手に取りやすくなったこと、浴衣を通じて和の装いに親しむのは良いことだと思う。
最近は友禅風のデザインの浴衣もあって、ちょっといいなーと思ったのだけど、気になったのは柄ゆきが桜とか紅葉で、季節感を無視していること。
個人的には、夏に桜文様のものを着るよりは、ハイビスカス模様とか、なんだったらパイナップル模様のほうが季節感があって良いくらいである。
まあ、パイナップルは極端としても、呉服屋さんも夏の花で柄ゆきを工夫してほしいもの。
友禅風にするにしても、撫子とか、鉄扇とか、夏の花で合いそうなものはいろいろあると思うし。
若い子の浴衣姿でもう一つ気になったのが着崩れ。
最初は着付けが悪いのかと思ったけど(そういう子もいるけど)、どうも姿勢が悪いために着崩れてしまっているよう。
「背筋はまっすぐ、できれば撫で肩」が着物を着た時の基本姿勢だけど、激しく着崩れている子の姿勢を見ると、猫背で、さらにわざわざ両肩をすぼめるようにしている。
着物の動きに逆らっているわけで、これじゃ着崩れて当然と思うし、猫背+肩をすぼめるって、洋服でも美しく見えないだろうに。
それと、吊るしの浴衣は、どうしても大きめの品を選ぶことになるから、身体に合わないのも着崩れる原因かも。
で、そういう場合、子どもの浴衣みたいに肩上げしてもらったら可愛いし、着崩れも防げると思うのですが。
今風の浴衣もそれなりに良いけれど、見ていて落ち着きを感じるのは、親御さんが誂えてくれたとおぼしき藍染の浴衣をきっちりと着ている子。
流行の浴衣の華やかさはないけれど、お誂えは身体にフィットしているし、そういうのを着ている子は姿勢も良くて、しっかりした家庭のお嬢さんなんだろうなと思う。
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