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2008年10月25日 (土)

さよならみどりちゃん

NHKのドラマ「ジャッジⅡ~島の裁判官奮闘記」が始まった。
去年放送された1を欠かさず見ていたのに、続編があることはノーチェックだったので、危うく第一話を見逃すところだった。
丁寧な作りのドラマで、舞台となっている南の島の自然が美しく、主人公の判事補を演じる西島秀俊は本当にはまり役。
視聴率狙いの大河ドラマにはウンザリだけど、こういう良質なドラマを作ってくれるなら、受信料を払い続けてもいいかなという気にもなろうってもの。


ところで、西島秀俊が「ジャッジ」とは正反対の役柄を演じている映画「さよならみどりちゃん」を見ました。
スカパー「日本映画専門チャンネル」で放送していたのを途中から見て、妙に惹かれるものを感じたので、再放送を録画。

自分が本命ではないと知りつつ、遠距離恋愛の彼女がいる男と関係を続けているOLユウコの物語で、西島秀俊が演じているのがユウコが思いを寄せているユタカ。
ユウコ役の星野真里とユタカ役の西島秀俊は配役の妙だなーと思う。
一歩間違えると映像的にドロドロしてしまいかねない話なのに、この二人だとそうならない。

星野真里はちょっと前にバラエティに出ているのを見て面白いなと思っていたけど、この映画でさらに好きになった。
透明感とみじめじゃない切なさがあってとても良かった。
文字通り「体を張った」演技なのだけど、張っただけのことはあったと思う。

ユウコはユタカがひどい男だとわかっていても、ただただユタカが好き。
そういうユウコはものすごくダメな女の子だし、身近にいたら「相手の人柄や行動を考慮しなさい」と説教の一つや二つはしてしまいそうなタイプ。
世の中にダメな男に魅かれてしまう女の子と、そういう女の子を夢中にさせてしまう男が存在することは知っているけど、自分がそういう男に出会ったとしても恋に落ちることはない。たぶん絶対に。
現実にそういう男がいた場合、絶対嫌なオーラを放っているし、嫌悪感を感じるから。
なので、本来であればユウコの気持ちはまったく理解できないのだけど、映画を見て「その手の男」がまるごと西島秀俊の容姿だったらちょっとわからないな、と思ってしまった。

で、女にやたらとモテる顔のいいダメ男というだけなら、もっとぴったりの俳優もいると思うけど、そこのところをあまりリアルにしてしまうと映画を見終わる前にいやけがさしてしまうと思う。
でも、西島秀俊だと、ダメ男のイヤな部分・ダメな部分に対する見る側の感覚が鈍くなって、「ユウコの気持ちは100%理解できない」から「わからないでもない」という感じになる。
「ダメオーラ」が感じとれない女の子の感覚を疑似体験できるというか。
西島秀俊のちゃらんぽらんなダメ男ぶりは容赦ないんですけどね。

ユタカにとってユウコは気の許せる女の子で、時には独占欲めいた感情も見せることさえある。
ただ、恋愛感情における「好き」だけがない。
恋愛が人生の伴侶を探すための準備段階のものならば、ユウコはユタカを選ばないだろうし、逆にユタカはユウコを選ぶと思う。
ユウコだけでなくユタカも、ある意味、恋愛というものに対しては純粋。
まあ、社会的な要素は人生において大切なものなので、現実においてはそういうのを美化しちゃいけないんですけど。

こういう話を共感を持って見られるようになったのは、私がユウコの年齢を過ぎている、ということもあると思う。
リアルなお年頃だったら、身につまされるか、反感を持つかのどちらかだろうから。
たぶん、反感のほうが強いかな。


エンディングがユーミンの「14番目の月」のカバー。
ユーミンの歌詞がこんなに心に染みたのははじめてかもしれない。

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