ジャッジⅡ~島の裁判官奮闘記
終わってしまいました・・・。
全5話というのは非常に物足りない気がするけれど、毎回内容が濃いから、このクォリティを保ちつつ、通常の連ドラのような回数のドラマにするのは難しいのだろうとも思う。
第4回の「二人」は特に印象的な回でした。
全話HDDに録画はしたけど、最終回は地震速報ががっつり入ってしまったし、「ジャッジ」とあわせてDVD化希望。
それから続編も。
この際だから東京で活躍する三沢恭介も見てみたい。
主人公の三沢恭介は、穏やかで礼儀正しくて仕事熱心、仕事に没頭しすぎると家族を顧みなくなるという以外は欠点がない、めったにないくらいの優等生キャラ。
こういう場合、個性とか人情家的部分を加味したりだとか、得てして余計なことをしがちだけど、このドラマではそれをしていないのが好き。
真面目なテーマに真面目な主人公で真っ向勝負。添加物無し。
それでいて単調だったり底が浅くはなっていないんですね。表情に陰影があって。
俳優と脚本と演出が噛み合えば、ちゃんとこういうドラマができるんじゃないの。
このドラマについて書こうかなと思っていたところ、週刊文春2008年11月27日号の「テレビ健康診断」で亀和田武が「ジャッジⅡ」と西島秀俊のことをとりあげていた。
このコラムは以前に「鹿男あをによし」を褒めていたりと、興味を持つドラマの傾向に似ているところもあるし、興味のない題材の場合も書く対象への愛があるところが好き。
たとえば「SONGS」の沢田研二をとりあげた回、くだんの番組について私自身はまったく別の感想を持ったりしたけど、ジュリーへの敬意と愛情が感じられる内容だったのは良かったと思う。
「ジャッジⅡ」については、ドラマの魅力は「西島秀俊の顔」で、「野心を持たず、家族と他人の幸せを願い、人並みで満足する『昭和』の顔」と評し、「暗い顔は明るくて薄っぺらな顔より、ずっとかっこいいと教える西島秀俊だ。」と結んでいる。
「怪奇大作戦 セカンドファイル 昭和幻燈小路」をもってくるあたりも「ちゃんと見ている人」の褒め方。
やっぱりね、ちゃんと見ないと褒められないから。
映画まで範囲を広げると西島秀俊は必ずしも「昭和の顔」というイメージではないとは思うけど、テレビから受けるイメージとしては頷けます。
たしかに「ジャッジⅡ」を観ていると、西島秀俊がずっと真っ直ぐな役ばかりをやってきたような感覚におちいりそうになる。
評判はとても良いにもかかわらず視聴率は低いらしく、こういうのを聞くと視聴率≠番組の評価だとしみじみ思う。
特にドラマは。
見たいドラマがあっても放送時間に家にいるとは限らないし、本命のドラマはHDDに録画してゆっくり見る、という人は多いんじゃないかと思うけど。
視聴率なんて視聴者が気にすることでもないんだけど、大河ドラマの傾向を見るとNHKの動向が剣呑なのが心配です。
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