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2008年11月29日 (土)

メゾン・ド・ヒミコ

「Dolls」でもっていかれそうになった心を現実に引き戻してくれるのが「メゾン・ド・ヒミコ」の細川専務。
映画を観た順番は逆なのですが。

もともと邦画は見ないうえにゲイの老人ホームが舞台ということで敬遠していたのだけど、思ったよりもずっと面白かった。
特殊な事情のある老人問題として捉えたら、いろいろと心に染みる場面がありました。
この映画でよかったのは、なんといっても台詞が「立っている」こと。
「触りたいとこ、ないんでしょ」
「あなたが、好きよ」
「なめていいですよ、甘いから」
「なんで我慢すんの。出せよ、声」
など、名台詞が目白押し。

オダギリ・ジョー(春彦)の繊細な演技、柴咲コウ(沙織)の美人を捨てたブス演技、卑弥呼役の田中ミンの佇まい、メゾン・ド・ヒミコの住人たちのデリケートな優しさがあってのことではありますが、なんといっても好きなのは細川専務です。
会社の事務員の女の子全員に手を出す「据膳は必ず食す男」で、ゲイの春彦(オダギリ・ジョー)に言い寄られても動じない(でも、食事とお酒には付き合う)。
他の登場人物が理想と現実の折り合いをつけようと悩む中、この人だけは悩まない。
感動のラストシーンも「落書きをどう消そうか」を考えていそう。
リアリストとかなんとかいうよりも、現実そのものの存在。
一方でこういう人がいるから、夢を見たり感傷に浸ったりできるのかもしれない、なんて。

青空と白い車をバックにした白い衣装の春彦と黒い衣装の細川専務のツーショットはめちゃめちゃかっこいい。

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