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2008年12月22日 (月)

黄金の日日

このところレンタルビデオ店(DVD店?)に行く機会が増えたため、ふと思いたって「黄金の日日」を借りてきました。
といっても全部は長いので、高橋幸治の信長が多めに出演している部分を。
やっぱり高橋幸治の信長、緒形拳の秀吉は最高のコンビだと再確認。
三度の虐殺など、信長の功罪は忌憚無く描写されるのだけど、高橋幸治の信長は座しているだけで、ドラマの中の今井宗久が信長の死後は行方を絶ってしまうほどに思い入れた気持ちが納得できる。
今井宗久を演じているのは丹波哲郎で、この「黄金の日日」と「真田太平記」、それから「雲霧仁左衛門」を見ると、ただの大霊界のおじさんじゃなかったよなーとしみじみ思う。
それと、羽柴秀吉時代までの秀吉は火野正平のほうが好きで、緒形拳は信長死後のダークな秀吉の印象が強いのだけど、羽柴秀吉の頃も火野正平にひけをとらないくらいに可愛げがあってコミカルで軽妙だったんですね。
それから石田佐吉(後の三成)役の近藤正臣もいい。
明智光秀、石田三成はいろいろな人が演じているけど、どちらも近藤正臣が一番好き。

このドラマでは主人公の呂宋助左衛門が縦横無尽に活躍します。
いろんな人と関わりを持ち、ルソン(フィリピン)までも出かけていく。
でも、「助佐」はもともと主役と狂言回しを兼ねている存在なのでこれでOK。
「利家とまつ」のまつ、「功名が辻」の千代のように一つの場所にいるべき人がそこらじゅうに顔を出すのは不自然極まりないですが。「篤姫」は言うに及ばず。


以前見た時は、子どもだったこともあって、サブストーリーの石川五右衛門と堺の豪商の娘・モニカの悲恋が好きじゃなかったのですが、今見ると胸をしめつけられるように切ないです。
結婚が決まった豪商の娘を手篭めにして誘拐してしまう男と、その男を恨みつつ忘れられなくなる女。
五右衛門は、弱っていくモニカを見ることに耐えられずに捨てようとするけれど、行方不明になったと知ると今度は探し回る。
モニカもボロボロになりながらも五右衛門を追い求め、ついには五右衛門の手にかかって死ぬ。
今風に言えばダメンズということになるんだろうけど、夏目雅子のモニカはたおやかで毅然としていて、根津甚八の石川五右衛門はニヒルで危険な男の魅力にあふれている。
メインの物語にはほんっとに関係ないんですが、昔の大河ドラマは大人向けだった。

夏目雅子は当時21歳でしたが、今ドキの21歳の女優では考えられないほどの情感と哀感がありました。
根津甚八はこの五右衛門役でブレーク。
「黄金の日日」放送当時のほうが女性視聴者の男の魅力に対する感受性が豊かだったのか?と思ったりもしたけど、根津・五右衛門は今見てもドキドキするくらいカッコいいわけで、制作側が勝手に視聴者のレベルを低く設定しているんじゃないかと思う。
・・・「篤姫」の高視聴率を見るとちょっと不安になるけれど。


※どうも、最近の女性監督及び女性脚本家には「だらしない男」好きが多い傾向(あくまでも傾向、ね)があるような気がする。

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