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2009年1月19日 (月)

役を生きる、役を演じる

週刊文春1月22日号の阿川佐和子との対談の中で、西田敏行が「俳優と役者の違い」について語っていたのが興味深かった。

あくまでも私見ですけど、役者と俳優という言い方で考えると、役のほうに自分をスライドできる軟体動物みたいな精神構造の人間が役者=コメディアンであって、確固たる己を持っていて、顔とか肉体を微動だにせず、役を自分のほうに近づけてくるのが俳優のような気がするんです。
(中略)
高倉健さんはどう演じられても高倉健さんという居ざまが確固としてあるから俳優で、緒形拳さんは自分の肉体を『復讐するは我にあり』の殺人鬼へスライドさせて演じたような感があるから役者、コメディアンだと。


これで思い出したのがアラン・ドロンがビストロスマップに出演した時の言葉。

まず私は演じないし、演じたことがない。俳優には、コメディアンとアクターのタイプがあり、コメディアンとは演劇学校で演技を学んで育ってきたものたちを指す。また、強い個性を持った人が、たまたま俳優となった場合をアクターという。本質的な違いは、コメディアンは演技し、アクターは役を生きる。


日本語ではコメディアンという単語が別な意味で定着しているけど、アクター=俳優、コメディアン=役者で、ニュアンスは若干違えど言っている意味は大体同じですね。


映画「丘を越えて」のDVD特典映像の中で三人の主演俳優がお互いについてコメントしていたのだけど、いつもなら冗談を飛ばしたりと余裕のコメントをする西田敏行が、西島秀俊に言及する時だけは堅苦しささえ感じるくらいに真面目に評していたのが意外だった。
前述の週刊文春を読んで、それは西島秀俊を役を生きる俳優ではなく自分と同じ役者として見ているからなのかな、と思ったりした。
俳優(アクター)=役を生きる人、役者(コメディアン)=演技する人という分類で考えるならば、西島秀俊は「役者」に属する人。
一見、自然体の演技が多いように思うけど、「役を生きる」タイプではないから。
自らを役者と定義する西田敏行は、おそらく俳優型の人がすごい演技をしても敬意は払いながらも動じることはなく、おおかたの若い世代の役者型の演技に対しては余裕をもって見ることができているんだろう、と想像する。
自分の演技力には自信があるだろうし、手の内はわかっているわけだから。
そんな中、俳優型ではなく、あくまでも役者型アプローチでありながら、演技しないことを成立させているように見える西島秀俊は、西田敏行にとっては、それまでにあまり出会わなかったタイプなのかなーと思った。
未知の存在に対して思わず真面目になってしまう西田敏行は、余裕でおちゃらけている西田敏行よりも好きかもしれない。

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コメント

はじめまして。marineと申します。
西島秀俊さんの検索でやって参りましたが、年来の文春読者だったりもするもので、
いろいろと楽しませていただきました。

演技論、批評論なども私が日ごろ考えていることととても近くて、共感させていただきました。
特に「愛と節度のない批評」に書かれた、前提条件と基準をはっきりさせずにマイナスの評価を下すアンフェアさ、
演出の文脈などおかまいなしに現実の再現性という点でしか演技を評価できない人の多さなどなど。

西田さんの発言をもとに西島さんの演技を読み解かれた今日のブログも、とても面白かったです。
「丘を越えて」の西田さんの特典映像でのインタビュー、私もとても気になりました。
西田さんは演技の上手さが印象に残り過ぎてしまうタイプで、ご自分でもそのことに気付いているのではないでしょうか。
だから、きっちり演技はしているし、結構ある種の計算もしてる?のに、それが見えない西島さんは気になる俳優なのかも、と私は思いました。

長々と失礼しました。
これからも楽しみに、時々寄らせていただきます。

投稿: marine | 2009年1月19日 (月) 19時26分

コメントありがとうございます。
自分の中でも強くこだわっていることにコメントをいただいたので、うれしく読ませていただきました。
西田さんと西島さんについての考察はまったく同感です。

不定期更新のブログですけど、これからもよろしくお願いいたします。

投稿: きつね | 2009年1月20日 (火) 01時51分

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