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2009年2月19日 (木)

めがね et かもめ食堂

スカパーの契約を変更して映画チャンネルが増えた。
見逃していた映画を気軽に見ることが出来るのがうれしい。
で、先日はチャンネルNECOで放送していた「めがね」と「かもめ食堂」を観ました。
どちらも小林聡美、もたいまさこが出ています。


「めがね」は、南の島(与論島)の民宿「ハマダ」が舞台。
旅行客のタエコ(小林聡美)、不思議なカキ氷屋のサクラ(もたいまさこ)、民宿の主人(光石研)、近所の学校の教師ハルナ(市川実日子)、タエコを追ってやってきた青年ヨモギ(加瀬亮)、みんなが何故かメガネをかけている。
物語にはほとんど起伏がないけれど、与論島の淡いエメラルド色の海がきれいで、食事とビールが美味しそう。
朝食を、茹でた伊勢海老を、こおり金時を、みんな黙々と、でも美味しそうに食べる。
梅干を食べて酸っぱい顔になる。
食べ物に静かな存在感があって、欠くべからざる脇役になっている。
開放的なキッチンも素敵。
映像の美しさからいえば映画館の大きなスクリーンで観たい気もするけれど、気分としては家でゆったりと見たい映画です。
くつろいだ服装で、ビールでも飲みながら。

ハルナは学校の先生ということで野暮ったいスーツを着ているのだけど、市川実日子は着こなしがきれいで、さすがモデル出身。
かっこよく着ているわけじゃなく普通に着ているんだけど、きれいなんですよね。

続いて「かもめ食堂」。
少し前にも放映されて、その際に録画したきり観ていなかったのだけど、「めがね」を観て意欲がわいたので引き続き鑑賞。
フィンランドはヘルシンキの「かもめ食堂」が舞台です。
登場人物は「かもめ食堂」の店主サチエ、日本から来たミドリとマサコ、日本かぶれのフィンランド人青年、夫に逃げられた主婦、お店のお客さんたち、など。
これも出てくる食べ物がとても美味しそうです。
というか、こちらのほうが「めがね」より前の映画ですが。
「かもめ食堂」のメニューは鮭の塩焼き、トンカツ、おにぎりと、いわゆる高級和食ではない、普通の日本のおかず。
海外旅行先で和食を食べたいと思うことはまずないのだけど、もしも、こういう食堂があったら入りたくなるかも。

サチエたちが立ち働く動作がきびきびしていて、とても気持ちがいいです。
ヘルシンキという場所を選んだことも心にくいし。
日本が舞台だと細腕繁盛記になってしまうし、ヨーロッパの街でもパリやロンドン等の大都会では物語として非現実的になり過ぎる。
時々商売を度外視することはあっても、サチエの食堂経営に対して前向きだから、あまり田舎だと隠退したみたいで違う気がするし・・・で、やっぱりヘルシンキだな、と。
ところどころでムーミンの話がでてくるのも好き。
(ムーミンパパは理想の父親像No.1)


食べ物が出てくる映画は数あっても、ほんとうに美味しそうに見える映画は少ないです。
文章ならば多いけど。
でも、「かもめ食堂」も「めがね」も、特に凝った献立じゃないけど、食べ物がほんとうに美味しそうです。
映画に漂う空気感も好き。
心地よさという点では共通しているけど、「めがね」は南国の春の、ちょっと湿った柔らかい空気がたそがれるのにぴったりだし、「かもめ食堂」の北の国の夏の湿度の低い爽やかさは、少し前向きな3人に合っている。

「かもめ食堂」の原作にちょっと目を通してみた。
原作者の群ようこは、一時期まとめて読んだけど、その後ぱったりと読まなくなった。
観察眼の鋭さとサクサク読めるところが好きだったし、視点にも共感できたのだけど、言葉の選び方の雑さとか、文章がせわしなく感じられるようになってしまったため。
「かもめ食堂」も、サチエをはじめとする登場人物は魅力的で物語には引き込まれながらも、地の文に「ださい」という単語が使われていたことに違和感を覚えたりした。
サチエのキャラクターに合わないし、群ようこもそういう言葉遣いで育った年代じゃないのに、と思うので。
でも、映画なら文章は気にならないし、原作の良さだけを引き出せた感じ。
もともと映画のための書き下ろしだそうだけど、映画になってよかった。

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