上杉戦記と関が原
「疾風怒濤! 上杉戦記」を読み終わり、司馬遼太郎の「関が原」を読み返しているところ。
「関が原」に直江兼続が出てきたことが記憶からすっぽり抜けていた・・・。
「疾風怒濤! 上杉戦記」は、山本周五郎、海音寺潮五郎、永井路子など8人の作家が上杉家の人々を描いた短編をそろえたアンソロジー。
文章の好き嫌いが激しいので、長編小説であるとか、個人の作家の短編集はなかなか手が出ないのだけど、こうして様々な作家の作品を少しずつ読むのは面白い。
上杉謙信の捉えかただけ見ても、人によって違うし、文章にも特色があるし。
この中には「天地人」の原作者・火坂雅志の「羊羹合戦」も収録されています。
火坂雅志はデビュー作が酷かったので、以来偏見を持っていたのだけど、「羊羹合戦」は思いのほかに良かった。
直江兼続の命により関白の花見に出す羊羹を作ることになった侍を描いた物語だけど、羊羹の描写が美味しそう。
口幅ったい言い方になるけれど、作家も成長するんだなと思った。
※ただ、新書の帯になっている「和服で腕組み」写真はやめたほうがいいと思う。
なにかのパロディ?と思ってしまう。
ところで「関が原」を久しぶりに読んでみて、私の石田三成像は、少なからず加藤剛と近藤正臣によって修正されていることがわかりました。
司馬遼太郎の描く三成は、思っていたよりも尖がっていた。
家康と本田正純は記憶どおりだったけど。
大河ドラマの天地人を持ち上げる気はないけれど、「篤姫」のほうがマシという意見には異を唱えたい。
背景や題材が好きじゃなくて見なかった大河ドラマもあったけど、ドラマとして「篤姫」は過去最低の出来です。
そりゃ「天地人」もツッコミどころは満載だけど、「篤姫」と比較するならば、「天地人」が月で「篤姫」はスッポン。
「天地人」が丙なら、丁は間違いなく「篤姫」。
これだけは断言しておきたい、です。
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