スワンの恋
洋画シネフィル・イマジカで放映された「スワンの恋」を録画。
衣装・調度、19世紀社交界の雰囲気が素晴らしいのですが、大好きな俳優ジェレミー・アイアンズを見初め、アラン・ドロンの演技力を見直した映画でもあります。
この映画でシャルリュス男爵を演じたアラン・ドロンを見たことが、「山猫」のタンクレディを見直すことにつながったと思う。
オデットを演じたオルネッラ・ムーティはちっとも美人だと思わなくて、それこそ「好みでもない女!」なんだけど、それでいてスワンが耽溺したことに納得できてしまう不思議な魅力がありました。
この映画を観て、かなり経ってから原作を読んだのだけど、ゲルマント公爵夫人の赤い靴のエピソード(夜会に出かける際、夫人が赤いドレスに黒い靴を履いていることに気づいた公爵が時間がないにもかかわらず召使に赤い靴を持ってこさせる)をさらりと入れたあたり、原作への愛があったのだなと思った。
このエピソードとか「細雪」の丸帯が鳴る場面などは、ささやかだけど原作の雰囲気を馥郁と伝える核みたいな描写だと思う。
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