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2009年4月27日 (月)

表現力≠顔芸

少し前の話になりますが、世界選手権の前後、佐野稔が「とくダネ」でキム・ヨナの表現力を「顔芸」と呼んでいたけど、ちょっと違うんじゃないの?と思った。
佐野稔も本心から表現力=顔芸と思っているわけではなく、わかりやすく説明しようと思っての発言だろうけど、「表現力=顔芸」という認識をテレビで広めてしまうのは非常に好ましくない。
この時は放送禁止用語も口から出てしまっていたけど、言葉の選び方にはもっと慎重になってほしい。
「素人≒社会との接点が少ない奥様」向け番組ならばなおのこと影響は甚大なんだから。

「表現力」には手足の動かし方等の「表現するための技術」のほかに、物語の理解力など、目に見えない要素も含まれて、演技中の表情は曲や振付の背景を理解しているか、音楽を感じているかに大きく影響される。
表情はあくまでもその一要素。
テレビで「(負けた自国の選手)は理解力において劣っている」と発言することには差支えがあるとしても、「キム・ヨナは曲の理解において優っていた」と褒めることは問題なかったはず。
なんで顔芸なんて言っちゃうかなーと思う。

純粋に表現力という視点で見るのなら、キム・ヨナは決して第一人者とはいえないと思う。
音楽への感度の良い、ナチュラルな表現力を有するスケーターなら他にいるから。
キム・ヨナには「音楽にのって自然に体が動き出す」というノリの良さみたいなのは感じられなくて、エキシビションがいまいち魅力に欠けるのはたぶんそのせい。
それでも、振付の意図やコーチの指示をしっかりと理解し、自分の弱点を補うべく努力していることが、キム・ヨナの結果と「高い表現力」という評価につながっているんだろうなと思う。

「音楽にのって自然に体が動く」というセンスが乏しいのは浅田真央にもいえることだけど、浅田真央はそういう自分の弱点を認識していなくて、弱点を客観的に分析できないことがキム・ヨナに差をつけられている原因じゃないかと思う。
くどいようだが、顔芸じゃなくて。

それと、あの見栄えの悪いスプレッドイーグルを見ると、浅田真央は高得点のとれる技以外には興味がないようにも思えてしまう。
あれだけの高い身体能力があるならば、美しいイーグルを習得することくらい難なくできそうなものなのに。
ジャンプが成功した時はうれしそうだし、自分が一番になることに喜びを感じていることは見てとれるけど、「スケートを滑ること」自体の喜びとか達成感が希薄に見えてしまう。
スケートを滑る喜びを感じているのなら、点に結びつかない技にももっと気を使うんじゃないかと思うので、イーグルのかっこわるさは浅田真央の問題点を象徴しているようにも思う。

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