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2009年4月29日 (水)

CASSHERNとか、いろいろ

西島秀俊扮する上条中佐を目当てに「CASSHERN」を録画した。
西島秀俊の上条中佐は、表情も立ち姿も声も制服の着こなしも、すべてがビシッとかっこよい。
テキトー男や草食系男子も似合いますが、こういう冷徹な役もいいですね。
「生命というものがたった一つでないのなら、 我々は何の為に必死になって生きているのですか!!」 という台詞から、ひょっとすると作中で一番まっとうな人かもしれない、と思ったり。
レイシストではあるのだけれど。
登場人物の中では、鉄也、東博士、ブライよりも、上条中佐と内藤が印象的で、これは贔屓目抜き(のはず)。
ただし、映画としては低評価。
映画は映像で語るものと思っているけれど、それにしたって脚本による説明をあまりに疎かにしすぎているし、登場人物の台詞もなんだかぎこちなくて語彙不足。
イメージの羅列で映画を作っちゃいけません。
DVDのコメンタリーを見ると描写の意味がわかるらしいけど、それじゃダメでしょ。
ただ、CGの作りこみの緻密さとこだわりはお見事。
SFXを使った日本の映画って、とかく物語以前に特殊効果の稚拙さで脱力してしまうことが多いけど、この映画に関してそういう脱力感はなかった。

「おくりびと」のアカデミー賞受賞について、滝田監督のことは手放しで褒める気になれないのは、「陰陽師」の監督だからなのだけど、「陰陽師」でがっかりしたのは、他でもない、手抜きとしか思えないような酷い特殊効果に対してだった。
そもそも「陰陽師」は「そこはかとない怖さ」を狙うべきで「帝都物語in平安」にする意味などないと思うのだけど、勝手に大掛かりにしておいてCGがあのしょぼさはないだろうと思うんである。
迫力不足なだけでなく、細部が雑なのも気になって。
松に瓜をぶらさげただけとか、見るからに作り物の生成り姫の角、平安時代なのにボーガンの矢みたいなのが刺さるし、クライマックスの立ち回りのバックは「ロケ地・平安神宮」。
あの映像を自分で見てダメだと思わなかったのか、監督に聞いてみたいくらいであった。

滝田監督の「観客にわかりやすい映画を撮る能力」と紀里谷監督の映像へのこだわりが一緒になれば、さぞよいものができるだろうに。

「CASSHERN」はルナ役の麻生久美子も可愛かった。声も好き。
麻生久美子と宮崎あおいって、以前は似ていると思ったこともあるけれど、大河出演を機に好き嫌いが分れてしまった女優。
本物の写真のような「こまたの切れ上がった」感じはないけれど、麻生久美子の「新選組!」のおりょうは、過去のおりょうの中でも溌剌として、わがままで、それでいて下品じゃないのが魅力的だった。

「鋼の錬金術師」を大人買い。
前作のアニメを時々見ていたものの、コミックスには手を出さずにいたのだけれど、面白ーい。

ブラナー版「フランケンシュタイン」、「CASSHERN」、そして「鋼の錬金術師」は、私の中では同じテーマで同じカテゴリーです。

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