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2009年5月25日 (月)

伏線も大事~天地人

信長存命時代は年齢のギャップが大きくてどうなることかと思ったけれど、天下を取った後の秀吉はいい。
ここのところずっと、奇を衒いすぎだったり、熱演しすぎだったりと、妙な秀吉ばかり見せられていたので、愛嬌のある「人たらし」で、それでいてどこか「油断できないぞ」と思わせる秀吉像に、なんだかホッとしてしまう。
この頃の秀吉を火野正平で見たかったのだけど、笹野高史もなかなか。
小栗旬の石田三成も良かった。髪形以外は。

・・・と、「秀吉の罠」の回ではほんの少し期待を抱いたのに、「三成の涙」で脱力。
はなから上手い脚本とは思っておらず、自己顕示欲が鼻につかないという一点で好意的に見ていたのだけど、この回はあまりにも脚本としてダメすぎる。
「農民に慕われる兼続」を描くのなら、これまでにそういう場面を入れておけと。
これでは伏線らしきものを入れながらほとんど回収しなかった大石静と丙丁つけがたい。


ところで、脚本があまりにもダメなので配役について考えるはむなしいけれど、妻夫木聡と小栗旬は役を交換したらいいんじゃないでしょーか。
脚本のダメさを差し引いても、妻夫木聡で閻魔への手紙とか直江状のエピソード等がイメージできないし、豪傑タイプの兼続よりも正義感が強すぎて融通が効かない三成のほうが向いていると思う。
そして、舞台「カリギュラ」で矛盾を内包した若き皇帝を演じた小栗旬なら、直江兼続の破天荒な部分を出せるはず。

妻夫木聡は親近感を感じるような自然体のキャラクターを演じれば、この世代で随一といってもいいくらいだと思うけれど、常人ばなれしたメンタリティの役はいまいちだなーとあらためて思った。
「春の雪」の清顕も天性のエゴイストを演じきれずに中途半端だったし。
小栗旬、藤原竜也、成宮君は、平凡な若者を演じるとちょっと浮いてしまうこともあるけれど、感情の振幅が大きい表現や「型」で見せる演技--歌舞伎で言えば大見得を切るような演技は迫力があるので、歴史上の人物を演じるには向いていると思う。

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