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2009年6月16日 (火)

旅行雑記2009~5日目はロワール

旅行の最終日はロワール河古城めぐり。
城と城の間が離れていて個人では到底まわれそうもなく、でもロワールのお城は見てみたいし、ということで、現地発着のバスツアーを利用。

ホテルから集合場所のマイバス社まではメトロで2駅。
でも早朝のメトロに乗るのは避けたいし、散歩なら普通に歩く距離なので、徒歩で集合場所へ。
バスの出発前は、モンサンミッシェル行きの人たちも同じ時間に出発ということでかなりごった返していた。

☆最初に向かったのはシャンボール城。
Loire_1
バスツアーを選ぶにあたっての決め手は、シャンボール城の二重螺旋の階段と、外からでもアンボワーズ城を見られるか。
Loire_2
シャンボール城を建てたのはフランソワ1世。
フランスではアンリ4世と一、二を争う人気のある国王で、神聖ローマ帝国のカール5世、英国のヘンリー8世と同時代の人です。
シャンボール城は、優美すぎず粗野すぎないところが風情があって好き。
ボーモン夫人の物語やペロー童話を読んでおぼろげながらイメージしていた森とお城のよう。

☆「昼食とワイン・テイスティング付き」ということで、お昼にはワインのカーブを改装したレストランに案内された。
メニューはリエットという、サラダと一緒にパンにはさんで食べる肉のペースト、鶏の煮込み、タルト・タタン。
ツアーのご飯ということであまり期待せずにいたのだけど、どれも美味しかったし、量があまり多くないのもちょうど良かった。

☆シュノンソー城
ディアーヌ・ポワティエとカトリーヌ・メディシスのエピソードで有名な瀟洒な城館。
Loire_3
オペラが上演されるとかで堀に足場が組まれていて、写真を撮るのに苦心。
でも、城内に「リゴレット」、「セビリアの理髪師」、「フィガロの結婚」等の衣装が展示されていたのは趣があって良かった。
記念撮影はしないほうだけど、オペラのコスプレができるならば是非撮りたい(笑)。
それにしても、衣装が展示されていた作品はいずれも貴族の恋愛もしくは浮気話なのですね。

サン・ドニ大聖堂に行った時、カトリーヌ・メディシスとアンリ2世だけが一緒の墓で、それも二基あったのが非常に印象的だったけれど、今度はカトリーヌのライバルだったディアーヌ・ポワティエから奪ったシュノンソー城を見学している、というのはなかなか感慨深い。

☆シュノンソー城見学の後は、城の近くでワインテイスティング。
もちろん試飲だけでなく販売もしている。
味は悪くなかったし、日本に送ってくれるというのは魅力。
でも、「シュノンソー」という付加価値及び希少価値を考慮しても価格設定がちょっと強気すぎ。
特にスパークリングワインは、クレマン・ド・ロワールが日本で安く手に入るし。
ここのワインを広めたいのなら、もう少しリーズナブルな価格にしたほうが良いと思うけど、そういう目的じゃないのかな。

折りしも季節はサクランボの実る頃ということで、バスの窓から見えるシュノンソー周辺の農家の庭には、どこも赤い実のついたサクランボの木があった。
それぞれの家で、自家製のサクランボを食べたりするのかしら。
ロワールのサクランボはアメリカンチェリーよりも佐藤錦に近い感じだった。

☆最後はレオナルド・ダ・ヴィンチ終焉の地クロ・リュセ。
Loire_4
実は、ここは一番期待していなかったのだけど、行ってみたら思ったよりもずっと良かった。
建物は城というよりは館なのだけど、レンガ造りの味わいのある建物。
庭園のバラが美しく、庭からはアンボワーズ城が見える。

それから、アンボワーズ旧市街を通り抜けてバスに乗る地点へ。
アンボワーズ城は王宮がおかれたりと歴史の舞台になった城で、チェーザレ・ボルジア縁の地でもあるので、外観だけではあっても、チェーザレ・ボルジアの足跡に触れられてうれしい。
Loire_5

シュノンソーとアンボワーズの街並みを見ていて、ちょっと面白かったのが「biscuiterie」という看板が多かったこと。その代わりというか「creperie」は見なかった。
ロワールではクレープのようにビスケットが主食のメニューがあるのかと思ったけど、ほんとのところどうなんだろう。
次なる宿題。

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ロワールの古城巡りは、フランソワ1世の足跡を辿る旅でもあり、ただいまフランソワ1世について復習中。
フランソワ1世はジャック・カルティエをカナダのケベックに派遣した国王ということで、ケベック~サン・マロ~ロワールと、自分が訪れた場所にまつわる点と線がつながるのは、なんとなくうれしいものです。
司馬遼太郎は同時代のヘンリー8世を「政治的に無能」と切り捨てていたけど、フランソワ1世をどう評していたのかちょっと知りたくなった。


パリに帰る道で、バスがポント・セーブルあたりからセーヌ河岸を走ってくれたので、これまで地下鉄でしか行ったことのなかったエッフェル塔より先を見ることができて得した気分。
ミラボー橋も見たし。

Sous le pont Mirabeau coule la Seine.
Et nos amours 
Faut-il qu'il m'en souvienne
La joie venait toujours apres la peine

Vienne la nuit sonne l'heure
Les jours s'en vont je demeure.

Les mains dans les mains
restons face a face 
Tandis que sous le Pont
de nos bras passe 
Des eternels regards l'onde si lasse

Vienne la nuit sonne l'heure
Les jours s'en vont je demeure.

L'amour s'en va comme cette eau courante
L'amour s'en va comme la vie est lente
Et comme l'Esperance est violente

Vienne la nuit sonne l'heure
Les jours s'en vont je demeure. 

Passent les jours et passent les semaines
Ni temps passe
Ni les amours reviennent
Sous le pont Mirabeau coule la Seine 

Vienne la nuit sonne l'heure 
Les jours s'en vont je demeure. 


ミラボー橋の下をセーヌ川は流れ
ぼくらの恋も流れる
思いださなければならないのか
喜びはいつも苦しみの後にきたことを

夜よこい 鐘よ鳴れ
日々は去りゆき ぼくはとどまる

手と手をつなぎ 顔と顔を見合っていよう
そうしている間も
ぼくらの腕の橋の下を
永遠のまなざしのもの憂い波が過ぎてゆく

夜よこい 鐘よ鳴れ
日々は去りゆき ぼくはとどまる

恋は去ってゆく この流れの水のように
恋は去ってゆく
いのちはなんとゆっくりで
「希望」はなんてはげしいのだろう

夜よこい 鐘よ鳴れ
日々は去りゆき ぼくはとどまる

日々は過ぎ何週間も過ぎてゆく
過ぎ去った時も
恋もふたたびもどってこない
ミラボー橋の下をセーヌ川は流れる

夜よこい 鐘よ鳴れ
日々は去りゆき ぼくはとどまる

(ミラボー橋/ギョーム・アポリネール・訳者は不明)

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