五右衛門刑死、北政所~黄金の日日
CSで視聴している「黄金の日日」は第46回の石川五右衛門が釜茹での刑の場面を迎えた。
薄笑いを浮かべて後ろ向きに飛び込む名シーン。
根津甚八の石川五右衛門は破滅型の男の魅力の粋。
それよりも数回話は遡り、第43回には大政所の危篤を秀吉にどうやって知らせるかを、十朱幸代演じる北政所が関白秀次(桜木健一)に手取り足取り指導する場面がでてくる。
母親思いの秀吉が母危篤の知らせを聞いてショックを受けることを案じつつ、素直で気は好いけど単細胞な秀次の株をなんとか上げてやろうと心を砕くも、そういう心遣いを察せず、いい気になっている秀次にムカッ腹を立て、「豊臣家は秀吉と女房の自分が一代で築いたもの、秀吉の死後どうなろうがかまわない」と言い放ち、その場を立ち去る。
北政所の賢さ・優しさ・意地をこれ以上に簡潔にわかりやすく具体的に表現した場面を、後にも先にも知りません。
これこそ優れた脚本というもので、こういうエピソードや場面を考え出すのが脚本家のお仕事なんだなーとしみじみ思う。
「あなたは賢い」と他の登場人物に賞賛させるのでなく。
近藤正臣演じる石田三成も歴代大河ドラマ屈指だけど、小栗旬が演じる「黄金の日日」版石田三成も見てみたい。
近藤正臣を凌げるかどうかはともかくとして、実力のある若手にちゃんとした脚本で役を演じさせてあげたいな、と思うのです。
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