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2010年5月31日 (月)

ニコラ・ル・フロックのパリへ

週末にパリ+α旅行に出かけます。
しばらく前から頭と気持ちをフランスモードにするためにと「王立警察 ニコラ・ル・フロック」の原作を読み始めたら、これが滅法面白い。
「ブラン・マントー通りの謎」の最初の10ページほど読んだところでハマリそうな気がしたので、「鉛を呑まされた男」、「ロワイヤル通りの悪魔憑き」も入手。
一気に読んでしまった。
小説をこんなに夢中になって読んだのは久しぶり。


物語の背景となるルイ15世当時のフランス国内の情勢や国際情勢、フランス宮廷のかけひきがきちんと描かれているので、ミステリーとしてだけでなく時代小説としても面白い。
パリとパリ近郊の地名が詳細に出てくるのでそれを地図とひきくらべながら読んでいるのだけど、ドラマでは街並みを視覚的に味わえるけれど、ロケをしている場所は当然違うわけで、あまり細かい地名を出すのは差し支えもあるだろうし、詳細な地名で足取りを追う楽しみは小説ならでは。
地名が指輪物語方式の直訳にカタカナのルビで表記されているため、地名の由来がわかるのもうれしい。「オレンジ園=オランジュリー」は「ああ、なるほど」と思ってしまった。
ニコラとブルドー行きつけのビストロの料理は今で言えばB級グルメということになるんだろうけど、どれも美味しそうで、そういうところも池波正太郎みたい(笑)。
ただ、牛脂を使うレシピが多いので、頭の中でオリーブオイルかグレープシードオイルに変換しながら読みました。
ドラマのポンパドゥール夫人はブーシェの絵の印象とは違う疲れた感じの人だったけど、原作を読んで納得。
亡くなる少し前という設定だったのね。


原作とドラマはところどころ設定が違っているけど、「文章で表現されている内容をいかに視覚的に見せるか」に配慮した脚色なので、話が進むにつれてニコラのキャラクターが脱線しつつあるものの、ドラマはドラマとして楽しめる。
そして原作を読んでみて、ニコラ役のジェローム・ロバートがイメージにぴったりだということを改めて認識。
ハンサムで職務に真面目で、でも据膳は食っちゃう男--選り好みするけど--がはまってる。
ヴィヴィアン・リーのスカーレット・オハラ、高橋幸治の織田信長、中村梅之助の村田蔵六、杉浦直樹の「あ・うん」の門倉と同じくらいのハマリ役(←ワタシ的に最大級の賛辞)。
原作とはかなり設定が変わっているけど、ラ・サティンを演じているVimala Ponsもコケティッシュで可愛くて、イザベル・アジャーニに似ているかな。
フランスのテレビ局は、「モンテクリスト伯」にジェラール・ドパルデュー(とオルネッラ・ムーティのメルセデス)という強引な配役でドラマを作ってしまったこともあったけど、ニコラ・ル・フロックの配役は文句なし。

※ドパルデューのエドモン・ダンテスは、土方歳三役を西田敏行を演じるくらい強引。
ジェラール・ドパルデューの「レ・ミゼラブル」は文句なしに良かったですが。
「モンテ・クリスト伯」は、舞台版の内野聖陽(テレビで見た)が一番原作のイメージに近いかな。「風林火山」や「臨場」とは違って二枚目然としていました。


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警視ニコラシリーズを読んで、ニコラの出身地のゲランドに興味を持った折りも折り、Bunkamuraザ・ミュージアムのミュージアム・ショップでゲランドの塩を販売していたので買ってきた。

Bunkamuraザ・ミュージアムでは「ストラスブール美術館所蔵~語りかける風景展」を開催中。
シスレー、コロー、モネなど好きな画家のほか、ストラスブール出身の画家の絵、抽象画じゃないカンディンスキー、ストラスブールを描いた絵で構成されていて、心地よい絵が多かった。
ストラスブールは今度の旅行先の一つで、こういう絵画を収集している美術館がある街ならば、実際に歩くのもさぞ楽しかろうと、旅行への期待も勝手に高めたのでありました。
観光の時間は限られていて美術館でじっくり絵画を鑑賞する時間がとれるかどうかわからないので、日本にいながらにして鑑賞できて良かった。

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