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2010年7月12日 (月)

鋼の錬金術師-FULLMETAL ALCHEMIST-

原作のコミックスを読んでからアニメを見ようと思いながら、最終回の一部をついついリアルタイムで見てしまい、結局コミックスの既刊を追い越したあたりからの録画を全部見てしまった。
最終回放送から一週間経ってなお絶賛リピート中。
最終巻発売は11月だし、それまで見ないでいるなんてやはり無理であった。
面白かったので全然後悔はしていない。

漫画とアニメを両方見続けて、かつ、どちらも面白いというのは久しぶり。
絵が好きな漫画はアニメの絵にがっかりすることが多いし、アニメはいいけど漫画の絵がいまいちということもあったりするので、たいていはどちらか片方しか見ない。
その点「鋼の錬金術師」は原作・アニメいずれもクォリティが高くて良かった。
原作で好きだった台詞がアニメでは変更になったり削られたりという小さな不満はあるけれど、「自分の意思で物語の展開を追いかける」原作の読者とテレビアニメという媒体の視聴者では同じ台詞でも受ける印象が違うかもしれないし、そこを配慮したのだろうということは理解できる。

原作には漫画でしか表現し得ない奥行きと味わいがあり、アニメには映像表現としての良さがそれぞれあって、これぞ原作の理解・分解・再構築。
マスタング大佐の炎の迫力は映像ならでは。
中盤以降はイシュバールの場面を随所に挿入したりと映画的な演出が多かったのも好き。
賞賛されている「約束の日」のエンディングの演出はゾクゾクワクワクしたし、最終回のエンディングも「ホログラム」が物語の終わり方とマッチしていてとても良かった。
アニメとの違いも含めて、コミックスを読むのがますます楽しみです。

久しぶりに「ホログラム」の時のオープニングを見直してみたら、原っぱに咲き乱れている花がヒナゲシで、赤いヒナゲシはモネの有名な絵画もあるけれど、初夏のフランスで最もよく見かける花。
そしてハガレンの舞台は架空の国だけど、現実の世界で言えばヨーロッパで、ヒナゲシが咲いている絵はとても似つかわしい。
細かいところにも配慮して、雰囲気を出そうとしていたことに今更ながら気づいたのであった。

※それにひきかえ早春の場面に彼岸花を出した去年の某大河ドラマときたら・・・。

真理の扉について、掘り下げ過ぎずに謎や余白を残したのも良かったと思う。
小野不由美の「十二国記」の戴国の話の続きを首を長くして待っているけど、「黄昏の岸 暁の天」で天意について突き詰めすぎたんじゃないかという気もしているもので。
ファンタジーの世界観とか決まりごとって適当すぎてももちろんダメだけど、整合性をとろうとし過ぎると収拾がつかなくなるか、理に落ちてつまらなくなってしまう。

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