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2010年10月17日 (日)

そういえば、ポーツマスの旗

先日の国会で「何故ASEMに中国語通訳を同行させなかったか」という石破茂議員の問いに「わざと向こうが何を言っているかわからないようにするのが外交だ!」という野次がとんでいたそうだけど、わからないふりをするならともかく、本当にわからなかったら話にならないではないか。

吉村昭の「ポーツマスの旗」で、日露講和条約の交渉に際し、小村寿太郎はフランス語を解することを隠して交渉に臨み(当時のロシア宮廷の公用語はフランス語なのでロシアの交渉団はフランス語を使う)、通訳不在時のロシア側の会話を聞こうとしたというくだりを読んで、細心かつ緻密な準備に深く感じ入った身としては、真逆のことをやった上に、それを堂々と擁護する議員がいるということに暗澹たる思いです。
・・・と書いていたら、仙谷官房長官が日比谷焼打ち事件を引き合いに出したことを知って怒り心頭。
ポーツマス条約の時と今回は、起ったことも経緯もすべて違う。
仙谷官房長官が自分を小村寿太郎になぞらえているのだとしたら、思い上がりも甚だしいし小村寿太郎に失礼だ。

知識はあるんだろうけど、解釈とか結びつけ方がいちいち的外れなんだな、この人は。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E3E1E2E09C8DE3E1E3E2E0E2E3E28297EAE2E2E2;at=DGXZZO0195166008122009000000

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以前、民主党は現実の日本ではなく「脳内日本」に向けて政治をしている、と書いたことがあるけれど、仙谷官房長官の口にする中国も「現実の中国」ではなくて「脳内中国」であるように思える。
親中どころか媚中とさえ言われるわりに、中国の文化でも人でも直接知っているものはないんじゃないかと感じるので。
中国の文化が好きで親中になったのなら文革で行われた破壊活動は許しがたく感じるはずだし、中国人に知人・友人の一人でもいるのなら、やはり文革を肯定的に捉えることはないだろうと思う。
まあ、本当に中国が好きで親中派なのだとしても、「中国に対してだけ」不自然な敬語を使う感覚はかなり変だと思うけど。

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