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2011年5月16日 (月)

イシュタルの娘~小野於通伝 第3巻

2巻途中で心ならずも結婚をした於通が3巻では離縁して京に帰還したのでホッ。
才能を認められて北政所の祐筆となり、いよいよ表舞台へ。
於通が結婚していた一年の間に京もいろいろ変化があって、やんちゃで一本気な好青年だった近衛信輔が失意の果てにグレて傾いた(かぶいた)姿で登場。
それがめちゃめちゃ色っぽくて素敵☆。
左府さん(信輔)失意の原因である秀吉の関白就任の経緯については、これまでは「秀吉がなんだかごり押しして関白になりました」という漠然とした認識しかなくて、戦国から安土・桃山時代って、そういえば武家側からしか見たことがなかった。
そういう意味でも、公家側を丁寧に描いているこの作品は新鮮で面白い。

近衛信輔(信尹)は一流の文化人だっただけでなく、文禄の役では朝鮮に渡ろうと九州まで行ったりとか相当行動的で剛毅な性格だったようで、実際にかぶいていたかどうかはともかく、傾奇者として描いても不思議じゃない人だったらしい。
それでいて豊臣武家政権と利害が対立する公家社会の中枢にいる、歴史の渦中の人物でもあってと、まさに事実は小説より奇なり。
大和和紀なら、ストーリーテリングに都合がよく、かつ魅力的な架空の「非実在青少年」をいくらでも創造できると思うけど、その人が実在の人物に着目してスポットをあてたとなったら、これはもうカッコよくないわけがない。
「歴史好きこそが歴史を面白く描ける」という、このうえない好例だと思う。
於通とともに、左府さんがこの先どんなふうに描かれるのかも楽しみです。

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