シーザーとクレオパトラ
「ルイス警部」を録画予約しようとチャンネル銀河の番組表を見たら「シーザーとクレオパトラ」を見つけたのでこれも予約。
ヴィヴィアン・リーのバイオグラフィーで存在は知っていたものの、実際に見るのは初めての映画。
クレオパトラというと映画会社を傾けかけたというエリザベス・テイラー版の印象が強く、ヴィヴィアン・リーのクレオパトラってどうなんだろう?と思っていたけど、なかなか面白かったです。
映画の初めのクレオパトラは甘ったるい甲高い声で突拍子もないことばかり口走る落ち着きのない子どもで、女王らしさなど微塵もない。
ちょっと吉高由里子みたいなキャラクターだったので、この先どう描くんだろうと不安になったりしたほど。
それが、シーザーの指示により、しだいに女王らしい振る舞いを身につけていき、苦悩する女王に成長していく。
最初が吉高由里子風だったのは、いわゆる「引き算の演技」だったわけですが、そのあたりの変化を演じるヴィヴィアン・リーの演技が素晴らしい。
シーザー役はクロード・レインズ。
「カサブランカ」の警察署長役の人。
シーザーもレックス・ハリスンのイメージが強かったけど、クロード・レインズもなかなか。
ユーモアのセンスがあってシニカルで優しくて厳しくて部下思い。
クレオパトラに惹かれてはいるものの、クレオパトラの存在を自分の中の最優先にするほどにはのめりこんでおらず、「お前の命よりもローマの兵士の片腕のほうが大切だ」なんてことをクレオパトラに言ったりする。
脚本を書いたバーナード・ショーのシーザー像は塩野七生のそれと近いのかなと思ったりした。
クレオパトラにあまり好意的でないことも含めて。
1945年の作品のわりに映像も壮大で美しいし、衣装も素敵(←私にとっては重要)でした。
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