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2016年12月11日 (日)

罪のない者だけが石を投げよ

成宮寛貴芸能界引退のニュースにかなり動揺しています。
執着は少なそうだとは思っていたけど、こんなにあっさりと。
あまりに動揺したので、久しぶりに中島らもの本を買ってしまった。

なんだかね、映画や舞台もロクに見なさそうな人たちがあれこれ言っているのが癪に障るというか、なんというか。
フライデーにとっては、俳優のプライバシーもイメージもただの「メシのタネ」に過ぎないんだろうけど。

「ここは日本だから」っていえばそれまでだけど、欧米ならここまで追い詰められることはないだろうと思う。
海外の俳優やミュージシャンの場合だと、断罪よりは心配する声のほうが多いと思うけど、日本は疑惑の段階から断罪の方向に向かってしまうのがね。
薬物には手を出しちゃいけないと思うけど、ドラッグで命を落とした例は多いし、犯罪だからというよりも体への影響が心配だからです。
犯罪としての白か黒かを判断するのはあくまでも警察と裁判所の仕事。
それと、素人が聞きかじりの生半可な知識で尿検査が~、毛髪検査が~と言っている状況もどうかと思う。
どこの機関の検査なら信頼するのか、鑑定書を見て数値で判断できるのかとか、本当にわかって言っているの、と。
そのくせ「陰性」の報道は信じないし。
そもそも、フライデー編集部が完全にクロの確証を握っているのなら、それこそ警察に提出して、警察が出した結論を報道するのが筋だったと思う。
そのために警察があるんだから。

それと、一口に犯罪といっても殺人・傷害・窃盗とそれ以外は違うし、一律に扱うメディアの風潮やネットの反応には以前から疑問を持っています。
もう少し扱い方に強弱とか濃淡とかがあっていいのに。
他者への危害ということなら自転車の歩道爆走のほうが取り返しが付かない事態を招く。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20161211-00010004-agora-soci

セクシュアリティについては、英国なんて、50年前は処罰の対象だったけど、今はカミング・アウトしている俳優が結構いるし、少なくとも興味本位な好奇の対象ではなくなっている。
日本はもともと衆道があって処罰などはなかったけれど、昔より非寛容になっている気がする。

写真週刊誌は先発のFOCUSは時々読んでいたけど、写真そのものというよりも付随する記事が面白かったのが購読の理由だった。
写真も決定的証拠というよりは、読者の想像の余地を残していたし。
後発のFRIDAYが参入したことによってスクープ写真合戦がエスカレートして、ずいぶんえげつないことになってしまい、えげつないほうのFRIDAYが残ってしまった。
ASKAの自宅に殺到した報道陣にも言えることだけど、「報道のためなら何をやってもいい」という態度が腹立たしい。

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コメント

なんと言いますか、こんなことを面と向かって言っても通じないのでしょうね。異常も日々続けば正常になるといいますが、その異常な空気にどっぷりと浸かってしまうと、それがおかしいことがわからなくなる。わかっても、同じことをしていた方が楽だから、変えようとしない。えて凡人は楽な方向に行きたがるものですから。なので、思い切ってガツンと言われても「じゃあどうすんだよ」としか答えられない。まともから反省しようとすることは全くと言っていいほどない。それが証拠に、こう言うメディアの態度の問題点を、これまで何人もの有識者が声を大にして述べているにもかかわらず、いよいよますます悪い方向に進んでいるではないですか。
で、自分たちはそういう態度を「自分たちはわかっている」「現実を見ている」と思っているわけだから、もうなんといいますか・・・。これが仕事というが、では仕事とは一体何なのでしょうか。なんのためにするのでしょうか。ただ自分だけがもうかるためにするのが仕事なら、強盗も振り込め詐欺も仕事ということになりますよ。人の役に立ってこその仕事ではないですか。そういう意味では、実質的にいまメディアがやっていることは仕事になっていない。もう、自分たちはほとんど信頼されていないということにも気がつかないんでしょうね。しかし、ああ、サンドバッグが欲しいよ・・ダンダンダンッ(テーブルを叩く音)

投稿: 偽君子 | 2016年12月12日 (月) 08時16分

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