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2018年11月18日 (日)

かつての万葉集解読ブームに思うこと

1990年代前半に「万葉集を古代朝鮮語で解読する」という本が相次いで出版されたことがあった。
ブームだったかも。
ちょうど梅原猛の「隠された十字架」、「水底の歌」を読んだところで、芋づる式の興味で藤村由加の「人麻呂の暗号」を読みました。

「人麻呂の暗号」は「実は草壁皇子の鎮魂の意味が込められている」などの解釈が魅力的だったのだけど、彼女たち(藤村由加は四人の名前を組み合わせた筆名)が学んだのは韓国語と中国語(と記憶している)で、現代の韓国語と万葉仮名を結びつけるのは強引すぎるというモヤモヤは残った。

それで、次に選んだのが古代の韓国語で万葉集を解読したという李寧煕の「枕詞の秘密」。
古代韓国語なら関連性はありそうだと期待したけど、いちいち変な解釈をして、あまりに不愉快なので途中で放り出した。

半島起源説に特にアレルギーはないし、古代朝鮮語と古代日本語がどう対応しているかには興味があった。
日韓とも昔の公文書は漢文だったし、漢字の読みに呉音・漢音・唐音があるように古代朝鮮語の読み(音)と対応する漢字があるのなら、それを元に解読できるのかなと思ったのだけど、違った。
連想ゲームみたいなこじつけを羅列して「古代朝鮮語ではこう読むんです!」と言うばかり。
古代朝鮮語の語彙は出てくるけど、それがどの文字に対応するのかを言わない。
不完全でも古代朝鮮語と漢字と万葉仮名の対応表とか一覧表があれば、もう少し説得力があったと思うんだけど。
これで古来から有名な歌を春歌みたいに解釈されましてもって感じだった。

「文献が残っていない古代朝鮮語」(高麗あたりで焚書にあったらしい)で「まとまった形で残っていて体系づけられている万葉仮名」を解読することにそもそも無理があったわけです。
逆に万葉仮名で古代朝鮮語を類推するほうがずっと合理的。
そういう本が売れるかどうかは知らないけど。

韓国及び韓国好きの人に対して、軽微ではあるけれど警戒心を抱くようになったのは、これ以来だった気がする。
根拠のない上から目線とおめでたさ。


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中国でピンインを読めない人が増えている人がいるということを小耳に挟んで、どうやって入力しているのかと思ったら注音があるのか。
中国語の発音記号。
ハングルって、注音記号と同じようなものだと思うけど、発音記号だけでちゃんと表現できるんだろうか?
いろいろなことに漢字廃止が影響していそうに思う。
来年から漢字教育が復活するそうだけど、まともに話し合えるようになるのは再び漢字が定着してからかもしれない。


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漢字がないほうが外国人が日本語を学ぶ時にとっつきやすいという意見を見たけど、そりゃ観光旅行レベルならそれでいいけど、もっと突っ込んだ話をしたい時にどうするんだよと思った。

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