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2021年6月 6日 (日)

メンタルスポーツ

大坂なおみ選手のことについて、NHKはDepressionをウツまたはウツ病ではなく「気分の落ち込み」と表現しているとのこと。
これは妥当な判断だと思う。
医師の診断書があるという話は今のところないわけだし、「気分の落ち込み」とうつ病は異なるものだから。
この件については、試合後の会見義務そのものの是非、会見における記者の質問内容の是非がごちゃ混ぜになっている気がする。

↓の記事では過去の会見における低俗な質問を列挙しているけど、記者側が自発的に会見の質問内容を見直すのはいいことだと思う。
https://courrier.jp/news/archives/247797/
水泳の池江璃花子に大坂の件を質問した外国人記者などには猛省を促したい。

ただ、今は削除されているけど大坂なおみの姉によれば、大坂はクレーコートについて質問されることにナーバスになっていた、とのこと。
少なくとも身内は、大坂が避けたがっていたのは「低俗な質問」ではなくテニスに関する質問だと捉えていた。
つまり、大坂なおみの意図は質問内容の改善ではなく、会見そのものの拒否。
で、いずれにしても順序が逆としかいいようがない。
質問内容の改善を求めるにせよ、会見の免除を求めるにせよ、主催者にあらかじめ事情を説明していれば展開は違っていたはず。
主催者の対応が頑なだとしても、あらかじめ説明したという事実があり、それを公表すれば世論を味方につけて交渉を有利にすることはできたと思う。
今回のような後出しでなく。
そういうアドバイスをする人が周囲にいなかったのだろうか。

で、会見義務ルールの意義についてはナダルのコメントがすべてかな。
「ニュースを発信する人たちがいなければ、選手たちは今のような存在ではないだろう。」という。
ルールを改正して会見の義務をなくし、選手のSNSを公式見解とすることも可能ではあるけれど、そうなった場合にグランドスラムというものが現在の権威や価値を維持できるのか。
大坂なおみがグランドスラム優勝者ではなく無名の選手だったらBLMにおいて影響力を持つことはないし、SNSのフォロワーも少ないはず。
もちろん、グランドスラムで優勝したのは彼女の実力だけど、グランドスラムの価値を高めることにメディアの力もあったわけで。
グランドスラムの知名度や影響力が下がることはほとんどの選手にとって好ましからざることだと思うのだけど。

あと、素朴な疑問として、うつ状態の時って集中力も低下するけど、スポーツの中でもとりわけメンタルが占める割合が大きいテニスを、うつ病を患っている人がプレーし、ストレート勝ちすることは果たして可能なのだろうか。

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