最後の決闘裁判
リドリー・スコット監督で、中世が舞台で、ということで観てきました。
衣装と背景はゼッフィレリ版ハムレットと同じくらい好き。
時代設定的には、ハムレットとはたぶん200年くらい違うんだけど、中世って長かったから。
建設途中のパリのノートルダム大聖堂が見られるのもうれしい。
不器用で頑固な騎士ジャン・ド・カルージュにマット・デイモン、彼の聡明で美しい妻マルグリットにジョディ・カマー、教養があって世渡りが上手い領主のお気に入りのジャック・ルグリにアダム・ドライバー。
アダム・ドライバーは「ドン・キホーテを殺した男」の仮装パーティシーンもルネサンス期あたりの衣装が良く似合っていた。
ジョディ・カマーはテレビドラマの「Killing Eve」の殺し屋役しか知らなかったけど、複雑な思いを抱えた聡明な貴婦人役も似合う。
同じ出来事を三人の登場人物の視点で描くので、長いっちゃ長いけど面白かった。
三人がちょっとずつ本当のことを語ったり語らなかったりする。
それにつけても決闘場面の迫力はあったけどえげつないほどでした。
放蕩三昧で嫌味な領主ピエール役の俳優、知っているのに思い出せないと思っていたらベン・アフレックだった。
ほんとに嫌な奴で、つまり好演。
出演者の一覧にナサニエル・パーカーがあって、リンリー警部の頃と風貌が変わっていて気付かなかったけど、マルグリットの父親役だった。
上品さに納得。
マルグリットとルグリが「薔薇物語」と「パーシヴァル」について会話を交わす場面もあって、「騎士道」の概念はあったはず。
でも、数か国語を理解し教養があるルグリでも女性に対する態度は無教養なジャンと変わらない。
ルグリの思惑とは違い、マルグリットの側に恋愛感情がなかったのはそのあたりを見抜いていたからかもしれない。
姑と親友がマルグリットを裏切るのが女の敵は女という感じで、リアルというかなかなか辛い。
姑は息子可愛さとしても、親友の心理は複雑。
ルグリに恋慕される対象が自分ではなかったことに対する嫉妬と解釈したのだけれど、それにしたってここまでやるか?と思う。
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