ナイル殺人事件
アガサ・クリスティの映画やドラマは原作に忠実なほうが好きだし、ケネス・プラナーが映画化するとポリコレ的キャストと改変必至だし、でもケネス・プラナーがどう演出するのかは見たい。。。
というわけで鑑賞してきました。
リネットの管財人、オッターボーン母娘の配役が例によってポリコレだったし、冒頭のポワロの過去の話に費やした時間でリネット・ジャクリーン・サイモンの関係を変なダンス抜きで描けたと思う。
原作と旧作では良家のお嬢さんのリネットとジャクリーンがあのセクシーダンスはちょっとね。
それと、塹壕は「魔笛」にも出てきたけど、ケネス・プラナーは第一次大戦の塹壕に思い入れがあるのだろうか。
リネットの宝石がいかにもイミテーションっぽかったのも残念な点。
ともあれ、旅行気分を味わえたし、衣装その他は豪華だし、登場人物が整理されていてテンポはいいので退屈はしなかった。
原作未読の人は楽しめるんじゃないだろうか。
リネットが一目ぼれ(親友から奪うことに躊躇しないほどに)するという点では、これまで見た中では今作のアーミー・ハマーのサイモン・ドイルが一番説得力があるかもしれない。
原作通りの「母性本能をくすぐる英国の田舎の没落した旧家の息子」という設定込みだとスーシェ版のJ.J・フィールド一択なんだけど。
個人的にはスーシェ版の「ナイルに死す」が好きなので、それを凌ぐところまではいかなかったという感想。
スーシェ版のエンディングは本当に秀逸。
ダンスする恋人たちのバックに流れるのは「Love is the sweetest thing」という曲で、曲名からして愛ゆえに犯罪に加担したジャクリーンに相応しい選曲でした。
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そういえば1978年版をちゃんと見ていなかったので、Amazonプライムで見てみた。
テレビ放映でちらっと見た時はミア・ファローの印象しかなかったけど、ロケ地・衣装・音楽が素晴らしい。
特にミア・ファローの衣装は全部素敵。
ファーガスンとティム・アラートンの統合はわりと腑に落ちる。
スーシェ版の不満はロザリーとティムの扱いだったので。
映像技術の進化で押しなべて映像は現代のほうが良く感じるけど、新旧ナイル殺人事件については、旧作のほうが豪華に感じてしまった。
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