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2022年3月 6日 (日)

ゴヤの名画と優しい泥棒

ヘレン・ミレン出演ということで観てきました。
ゴヤの「ウェリントン公爵」盗難事件をめぐる実話。
ダウントン・アビーのような上流階級でもなく、底辺でもない、裕福ではないけど礼節を重んじて生活している市井の人のお話。

ヘレン・ミレンが演じるのは主人公の妻で、金持ちの家の清掃をして家計を支えていて、息子たち(特に長男)がスラングを使ったりするとその都度「Language!(言葉遣い)」と注意する真面目な人。普通のおばさんのヘレン・ミレンも素敵です。
主人公のケンプトン・パントンは独学だけど博識で正義感が強いおじさん。
BBCの受信料が強制であることに抗議して街頭で署名を呼び掛けたりしている。
おしゃべりしすぎてタクシー会社をクビになり、正義感が強すぎてパキスタン移民の青年に人種差別とパワハラをする上司に抗議してパン工場をクビになる。
善良だけど、一緒に仕事をするとなかなか難儀そうな人で、でも憎めない。
家族は大変だったと思うけど。

マシュー・グードがイケメンメガネ男子の人情味とユーモアのある弁護士役。
「キングスメン・ファーストエージェント」でも観たばかりだけど、こっちの役のほうが好き。

映画の舞台の1961年当時、BBCの受信料を払わないと刑務所行き。
NHKも強引だけど、BBCも昔は大概だったな。
1950年代から60年代あたりの英国って、「グランチェスター」の19歳の少年が過失致死で絞首刑になる話とか「イミテーションゲーム」の同性愛罪みたいに、やたらと厳しかった印象だけど、この映画みたいに温情判決が出たりすることもあったのですね。

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