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2023年7月

2023年7月 8日 (土)

歴史離れと歴史そのまま

名探偵コナンのトンチキ回を見てしまって妙な脱力感があったけど、「どうする家康」とか「江」(のあらすじ--早々に脱落してみていない)も私にとっては同じ感覚。

なぜ時代劇を見るかと言えば、衣装とか背景とか、その時代の雰囲気が味わいたいから。
それでも長寿ドラマ化したりすると現代的なモチーフとか、どこかで見たような話が入ったりするけど、そこに目くじら立てるのは無粋。
でも、大河ドラマは違う。
衣装とか背景以外にも、「歴史の面白さ」を大河ドラマには求めている。

歴史自体がストーリーでありプロット。

資料に基づいて「実はこんな近代的な面もあったんですよ」というのは良いんだけど、無理やり現代人そのままの思想や価値観を持ち込まれると興ざめする。

「史実を無視した創作はファンタジーでやれ」とはよく言うけれど、「お花畑平和思想」なんてファンタジーの世界でもNG。
「でも」というか「こそ」NGかもしれない。
登場人物が唐突に平和思想を主張するファンタジーを見たいと思わないから。
最終的に平和を願うのは当然のことで、そこにどう至るかが見せ場なのに直接言葉にしてどうするっていう話です。

2006年にTBSで放送された「里見八犬伝」は終盤、里見義実の平和演説でやらかしていた。
「南総里見八犬伝」は伝奇小説だからファンタジーなわけで、姫と犬の因縁も不思議な玉も怨霊も妖怪も全部「あり」だけど、実在とされる武将(それも、これから騒乱の時代が始まりますよ、という時代の)が戦争反対演説は創作にしてもリアリティがなさすぎた。

で、「どうする家康」です。
瀬名は今川の身内だし、新興の織田よりも格式のある武田を選択するのは腑に落ちるしその路線で描けば良かったのにと思う。
経済圏の統一とか言うなら信長支持のほうが自然だし。
この大河はやたらと女性に語らせるけど、そのわりに物語の序盤で寿桂尼を無視しているし、取ってつけた感じが否めない。
家康の今川時代に、せめて二話くらい使って、寿桂尼を登場させて、義元をもっとじっくり描いていたら、その後の話も説得力があったと思うのですよ。
瀬名と田鶴の少女時代に絡めて描くことも出来ただろうし。
いちいち史実の解釈をこねくり回して不要な話を入れるのは、脚本家とプロデューサーが無理くり「女城主直虎」と違う話にしようとしているみたいに思える。
別に話が被ったところで俳優は違うんだし、同じにはならないのに。
直虎の今川義元は敢えての台詞なしだったけど、そこを野村萬斎が朗々と演じる今川義元をもっと見たかったですけどね。

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2023年7月 1日 (土)

未成年の被害防止

複数人が踊りながら順番もしくは同時に歌うグループには基本的に興味がなく、ジャニーズにいわゆる「推し」はいない。だからといってアンチでもないけど。
一応それを踏まえて、今回の性加害報道にはモヤモヤしている。
顔と名前を出して名乗り出ているのだし、性加害の事実までは疑っていない。
でも、なぜ「今」なのかという疑問はある。
加害者も監督責任があったと目されるその姉も世を去ったタイミング。
現社長も経営者としては対応しなくてはならないけど、叔父の行動の監督責任が彼女にあるかについては疑問だし、被害者だったかもしれない所属タレントに非難の矛先を向けたりと、告発の目的がわからない。

そもそも同事務所の性加害が世に出るのは今回が初めてではない。
北公次の本はベストセラーになって書店に置いてあったし、大手の週刊誌も取り上げており電車の車内吊りにも大々的に出ていた。
たとえテレビで取り上げなかったとしても一般の人が普通に知り得る情報だったし、その後も本のことは特に秘密扱いでもなかった。
にもかかわらず、本が出た後もジャニーズの入所希望者が途絶えたという話はなく、むしろ増えていたくらい。
未成年だったら当然親の同意書等が必要なはずだけど、「親は反対したけど・・・」的な話も寡聞にして知らない。
今回の告発者のジャニーズ入りも、年齢的に北公次の本の出版の後のようだし。

今更、加害者の姪や所属タレントの監督責任を問うのであれば、被害者の保護者の責任も問題になるはずじゃないですかね。
今回の告発の目的が、今後の未成年の被害に警鐘を鳴らし防止するであるならば、保護者への注意喚起もしないと意味がない。

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