カテゴリー「俳優(西島秀俊)」の51件の記事

2022年6月 5日 (日)

シン・ウルトラマン

予想以上に面白かったので二回観てます。
脳内でウルトラマンの歌からセブン~帰ってきたウルトラマンがメドレーになってしまう程度で、オリジナルの深い情報や知識はなかったのだけれど。

「謎の飛翔体」として出現した銀色の巨人がウルトラマンと呼ばれるようになり、「人間を助けてくれる存在」として認知されるまでを見るのが初めてだったのでかなり新鮮でした。
追体験する感じ。

横たわる巨大化した長澤まさみにジグザグにロープが張られている様子がまんま小人の国のガリバーだったので、室長が「ガリバー・トラベルかスリーピングビューティ」に例えて田村に突っ込まれるところにクスっとしてしまった。
お約束と言えばお約束だけど、そういえば今の若者はガリバー旅行記を知っているのだろうか。

山本耕史のメフィラス星人と斎藤工のウルトラマンは、人間の姿をしながらタイプの違う外星人像が伝わってきてほんとに素晴らしい。
たまたま「ガキの使い」で斎藤工が「何分瞬きしないでいられるか」の回を見ていたけど、あの特技?がここで生かされるとは。

それから、音楽がとても良かった。
二回目鑑賞のエンドクレジットで「選曲 庵野秀明」を確認。

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2022年3月31日 (木)

米アカデミー賞 2022

「ドライブ・マイ・カー」が国際長編映画賞受賞。
最有力視されていたけど、蓋を開けるまではわからないからドキドキしていた。
作品賞・監督賞・脚色賞の受賞は逃したけど、各賞の他のノミネート作品に混じって映像が流れたのが感慨深いです。
うん、他の作品と連続して流れても画面が遜色ないというか、美しい。
去年のカンヌでは、コロナの影響やなにやらで西島秀俊が参加できなかったのが残念だったけど、アカデミー賞は参加できて本当に良かった。
生パルプフィクションに満面の笑顔とか、カンバーバッチとの夢の2ショット写真も見られたし。

アカデミー賞の授賞式は追悼コーナーがわりと好きで、特に2013年のマーヴィン・ハムリッシュの追悼から「追憶」のイントロが流れてバーブラ・ストライサンドが登場して歌いだす流れは鳥肌が立った。

ウィル・スミスのビンタ事件、暴力はダメは前提として、品位云々でウィル・スミスを断罪するのなら、クリス・ロックの病気を揶揄するジョークは品位を下げていないのかって話です。
G.I.ジェーンネタ、面白くない上に二度繰り返してくどかったし。
元々アメリカのスタンドアップコメディアンの良さがわからないというのもあるけど、アカデミー賞の授賞式だからって、あのジョークを笑ってやり過ごさなければならないって、なんの罰ゲームだよと思う。
それと、パーで叩くのとグーで殴るのと凶器を使うのを十把一絡げにするのも大雑把。くどいようだけど暴力はダメは大前提だしパーなら殴っていいわけじゃないけど、情状酌量くらいはあってもいいでしょ、と思う。

途中「最後の決闘裁判」が誰も見ない映画としてネタにされていたのも笑えなかった。
作品は悪くないのに。
リドリー・スコットがその場にいなくて良かったですよ。

そういえば、編集賞の受賞者(Joe Walker)のスピーチが面白かった。ああいうユーモアのセンスは好き。

賞の選考や演出はとかく批判されるし私も批判するけど(一昨年の新聞記者とか新聞記者とか新聞記者とか)、日本アカデミー賞の小栗旬の久能整のコスプレは面白かったです。あれ、コスプレだけでなく立ち方とかも菅田将輝の真似していたんですよね。
人を傷つけないでふざけることはできるのに。

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2022年2月12日 (土)

ドライブ・マイ・カー、米アカデミー賞ノミネート

映画「ドライブ・マイ・カー」の海外の映画賞受賞やノミネートが続いている。
米アカデミー賞は作品賞・監督賞・脚色賞・国際長編映画賞のノミネート。
快挙です。

良い映画だし好きだから栄誉を受けるのはうれしいけど、この受賞ラッシュには戸惑いもある。
そんなにも彼らの琴線に触れたのはどこなんだろうと。
万国共通でこういう感覚は共有できるだろうと思うこともあるけど、そういうタイプの映画とは思わなかったので。
それを言うと村上春樹が世界で読まれていることにも言えることかもしれないけれど。

この映画は吹き替えにしたら多言語による舞台演出のくだりの良さが失われるから字幕鑑賞必須。
アメリカは相当なインテリでも字幕で映画を見る習慣がないと聞いていたのだけど、この評価の高さということは、字幕鑑賞する人が増えたんだろうか。
・・・と思っていたら、納得できる記事が。
『ドライブ・マイ・カー』に惚れ込むアメリカの映画界


村上春樹関連のニュースのコメント欄には、必ずといっていいほど「自分が村上春樹を読まなかった理由」を語りだす人が出現する。
映画賞受賞のニュースのコメント欄にもいた。
そういうことを語りたくなる存在なんだと勝手に納得しつつ、でも不思議。

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2021年12月19日 (日)

シェフは名探偵~ビストロ・パ・マルのレシピ帖

今更だけど、初夏の頃に放送されたドラマ「シェフは名探偵」の原作を読んでいます。
「タルト・タタンの夢」、「ヴァン・ショーをあなたに」、「マカロンはマカロン」の3作。
旅行に行けない気晴らしも兼ねて。

スープ・オウ・ピストゥ、タルタル、ブイヤベースetc.、フランスの地方のビストロ料理が次々出てくるのがドラマの大きな楽しみだったけど、原作を読んで、料理とエピソードの一つ一つが原作を尊重して作られていたことがわかった。
三舟シェフの外見とかソムリエの金子さんはドラマと原作で違うんだけど、ドラマのイメージが定着しているので本もそのイメージで読み進めている。

で、「ビストロ・パ・マルのレシピ帖」が出ていることを知り、Kindle版をダウンロード。
料理の数々を写真で見るのも楽しい。

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2021年11月13日 (土)

劇場版・昨日なに食べた

ドラマは深夜ドラマ特有のゆるさとスケール感も込みで好きだったので、映画にすべき題材かどうかには多少の疑問を感じなくもなかったけど、映画もとても楽しかったです。
ドラマの映画化にありがちな余計なエピソードを入れて無理やり話を大きくすることもなく、原作のエピソードに忠実に、それでいて映画館のスクリーンで見る意義も十二分にある作品。
京都旅行は定番の観光コースだけど、映像が美しくて自分が旅行しているような気分になれたし、出てくる料理がテレビよりも鮮明でさらに美味しそう。
映画館のスクリーンで見るリンゴのキャラメル煮は見ごたえがあった。
エンディングのスピッツの「大好物」も映画の内容のマッチして良かったです。
「君の大好きな物なら僕も多分明日には好き」というところがシロさんとケンジのイメージそのままで。

この映画を見たら絶対幸せになる・・・とまでは言わないけど、癒しを感じられるであろう人に限って映画を見に行かないんだよなーというもどかしさも感じたりする。

ところで斜め後ろの席の人たちのポップコーンを食べる(時に容器をさぐる)音が耳についてしまった。
ポップコーンって食べる時に音がしないから劇場で売っているんだと思っていたのに。
別に息を詰めて見るタイプの映画じゃないけど、ポップコーンムービーでもないし、よしんばポップコーンムービーだったとしても音には気を付けて欲しいものである。

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2021年8月29日 (日)

ドライブ・マイ・カー

「トニー滝谷」が好きなので、原作が村上春樹で主演が西島秀俊となれば是非みたい。
西島秀俊は映画館に出かける動機になる俳優だし、見た作品については概ね満足しているけど、この映画は久々の真打ちという感じ。
PG12であることも含めて、西島秀俊が役とがっぷり四つに組んで不足なし。

原作の「女がいない男たち」は文庫を積読していたのを、「ドライブ・マイ・カー」を観に行く前に、残りは鑑賞後に読みました。
それから「ワーニャ伯父さん」も。
物語のおおまかな設定は把握しつつ、細かいモチーフは知らない状態で映画を見たので、わりと先入主なしに楽しめた気がする。
普通、短い話を膨らませると、どこかに無理やりな感じとか齟齬が生じるものだけど、それを感じさせないのが凄いと思う。
カンヌの脚本賞の評価に納得、です。

二人の生活や会話が丁寧に描かれているので、主人公と妻が心から愛し合っていることは主人公の主観だけではなく客観的事実として観客は感じることができる。
だからこそ妻の行動は謎だし、主人公の苦しみもリアリティがある。

三浦透子の渡利みさきは原作のイメージそのまま。
高槻は原作よりも複雑で多面的。
「容姿にも才能にも恵まれて、人気もあるのに自制できずに自滅する俳優」ってリアルにいるなと。
「ダンス・ダンス・ダンス」が映画化されるのなら五反田君を岡田将生に演じて欲しい。
「大豆田とわ子と三人の元夫」も、時として凄みを感じるくらい良かったけど、この映画の後ならば納得。

何度も車で往来する広島の夜景が美しかったです。

車の中、亡き妻の声で流れる「ワーニャ伯父さん」が登場人物の心理とシンクロするのが面白かった。
特に、舞台のラスト、ソーニャの台詞が音ではなく手話で語られるのが印象的。

ワーニャ伯父さん、生きていきましょう。長い長い日々を、長い夜を生き抜きましょう。運命が送ってよこす試練にじっと耐える の。安らぎはないかもしれないけれど、ほかの人のために、今も、年を取ってからも働きましょう。そしてあたしたちの最期がきたら、おとなしく死んでゆきましょう。[チェーホフ. ワーニャ伯父さん/三人姉妹 (光文社古典新訳文庫)より]

「そしてあたしたちの最期がきたら、おとなしく死んでゆきましょう。」というところに逆に生き続ける覚悟を感じてグッときてしまいました。

「俺の家の話」もそうだったけど、古典作品をモチーフにする手法はかなり好きです。
本歌取りっていうのか。

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2013年8月 4日 (日)

風立ちぬの長めの感想

「風立ちぬ」をこれまでに3回見て、公開している間にどうにかしてあと1、2回は見に行きたいと思っているところ。

「宮崎駿の次回作は『風立ちぬ』』のニュースを見た時は、堀辰雄の小説をそのまま映画化するのかと思ったので正直かなり失望したのでした。
それが西島秀俊が出演すると聞いて「行こうかな」に変わり、さらに「是非行きたい」になったのは登場人物の絵や背景が公開されてから。
絵を見て、宮崎駿の描く大正と昭和を見てみたいと思ったのです。
思えばポニョの時も、最初は興味がなかったのが新宿の西口広場で鞆の浦の絵を見て気が変わったので、映像の美しさは劇場に映画を見に行くかどうかを決める非常に大きなポイント。

江戸情緒を残した二郎の故郷、関東大震災から復興しつつある東京の和洋折衷な建物、名古屋に向かう汽車から見える輪中集落、昔の名古屋駅etc.、風景や町並みの描写がきめ細かで鑑賞回数を重ねるごとに発見がある。
「ハウルの動く城」のソフィの町のモデルになったコルマールのように古い町並みが現在進行形で生活の場として残っているヨーロッパと違って、日本では古民家博物館とか白黒写真で偲ぶしかない場所が多いから、そういう現代では残っていない風景がジブリの映画として残るのは素晴らしいことだと思う。
輪中は、小学校か中学の社会科で習ったきりだけど、画面に出てきて「これが輪中か」と感動。

軽井沢のホテルの夕食の場面で、二郎が白いスーツを着ているのが、「戦前の白い麻のスーツの紳士フェチ」にはたまりません。
それ以外も、二郎の姿勢のよさと上着の背中とズボンのラインとか、図面を引くときの手の美しさなども萌えポイント。

思った以上に物議を醸している庵野秀明の声、汽車で席を譲る時の第一声は違和感があるけど、菜穂子と「Le vent se leve,...」のやりとりをするあたりから気にならなくなり、「機関車は爆発などしない」で「合理的な理系の人」として受け入れ、最後にカプローニと出会った場面の「天国?、地獄かと思いましたよ」「一機も戻ってきませんでした」の台詞は余人に替えがたいほどぴったりしっくり。

菜穂子役の滝本美織は、宣伝番組で見ると普通のイマドキの女の子だけど、映画の中では戦前の上流のお嬢さんの声と話し方。
NHK-BS時代劇のくの一役も良かったし、プロフェッショナル。


上手いだろうと思っていたけど、予想以上に上手かったのが本庄役の西島秀俊。
本庄の「イラチな天才」ぶりと二郎への友情など微妙な感情のさしひきを適確に演じていて、この本庄像があったから二郎の茫洋とした良さが引き立ったと思う。
ファンとして鼻が高い(笑)。
なお、個人的な実写版「白い麻のスーツを着た紳士」のNo.1は「丘を越えて」の西島秀俊、次点がレオン・カーフェイだったりします。

カプローニと本庄の台詞は、二郎が黙っている時は同意しているのだと解釈している。
二郎にとってどうでもいいことは雑音として聞こえるし(少年時代のいじめっ子、会社の重役、会議に出席している軍人たち)、ちゃんと話を聞いていて異論がある時は二郎は意思表示をする(例:「鯖は美味いよ」「牛は好きだよ」)から、そうでない時は同意なのだろうと。
カプローニの台詞は全部好きで、萬斎の声で語られると音楽のよう。
でも、これをそのまま二郎に語らせると、映画としては陳腐になってしまうんだろうな。

あくまでも、飛行機の設計に邁進する二郎と仕事仲間とカプローニとの夢の中の出会いが描かれていてこそではあるんだけど、劇場に行くのをパスする要因になりかけた堀辰雄の風立ちぬ的成分にも強く心を動かされていたりもする。
初回は見過ごしてしまったのだけど、2回目見た時に、黒川邸から高原の病院に戻る汽車の中の菜穂子が、背中をまるめて具合が悪そうに座っている姿に胸を衝かれた。
台詞の説明は少ないというか、ほとんどないけど、画面ではいろいろなことを説明しているんだなーと。

ストーリーとかテーマはまったく違うんだけど、「風立ちぬ」は私にとって「ハワーズエンド」と似た読後感?の映画です。
近代史を知らないと面白さがわからないという点では「英国王のスピーチ」とも共通しているんだけど、映像では緻密に描写しつつ説明台詞を極力省いて見る側に委ねるという点においては「ハワーズエンド」だなと。
これは最大の賛辞です。

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2013年7月22日 (月)

風立ちぬ

Le vent se leve, il faut tenter de vivre...

大正時代から戦前までの上流の子弟・子女の立ち居振る舞い、当時のインテリの気風が見ていてとても心地よかった。
フランス語の詩を説明抜きで唐突に引用して会話が成り立ってしまう教養と機知が素敵。
「まことに生きにくい時代」ではあっただろうけど、人の佇まいの美しさというものが存在した時代でもありました。
能力のある人が、自分の能力に適した夢を追い求める話は大好きです。

ストーリー的には実写でも良いと思うけど、絵の美しさはジブリのアニメならではだし、関東大震災と二郎の夢の場面は実写では描けないだろうなと思う。
カプローニとの邂逅がないと二郎の飛行機製作への業みたいなものが表せないだろうから、夢の場面はとても重要。
それから風の描写も実写では雰囲気が出なさそう。
もしもそれでも実写で映像化することがあるのなら、配役は今回の声の出演をした人たちで・・・といっても、二郎役はさすがに無理だろうから筒井道隆か稲垣吾郎あたり(追加で加瀬亮も)。
カプローニは、「のだめ」か「テルマエ」的アプローチで強引に野村萬斎で。
・・・実写で演じるのは無理といっても、庵野秀明の声は二郎のキャラクターに合っていたと思う。穏やかで浮世離れして、そして技術者に聞こえる。
(この映画の二郎の声に批判的な人はトトロの糸井重里も酷評しているようで、糸井重里のお父さんはよく思いついたなーという絶妙なキャスティングだと思っているので、あれを酷評する人がいるのはかなり意外。)
二郎と本庄のやりとりが、あの時代の技術系インテリの会話としてリアリティがあって、中の人は2人とも台詞の技術的な内容を完全に理解して話しているように感じられるのだけど、そういう効果も狙っての配役だとしたらすごいわ。
なお、この映画の本庄を見て、西島秀俊のいつもの抑揚を抑えた台詞まわしは意図的なものなのだと確信しました。

平和主義者なのに飛行機と兵器好きという監督の矛盾と葛藤を表現した映画とも言えるけど、その矛盾と葛藤こみでこの映画は好き。
愛煙家の禁煙の風潮に対する抵抗みたいに思えなくもない喫煙シーンもアニメだから許せる。といっても、結核の人のそばではタバコ我慢しろ~とは思ったけども。

映画の途中からとても涙もろくなって、映画館を出てからも目がウルウルして「何を見ても涙ぐむ」状態。
これが泣かせどころのはっきりしている映画なら「カタルシス効果ですっきり」になるのだけど、淡々と描写されていることで感情がひたひたと静かに水に満たされたような、そんな感じ。で、なかなか水がひかないと。
病身のために結婚をあきらめるのでも二郎にしがみつくのでもなく、自らのタイムリミットと好きな人と過ごしたいという望みのギリギリのラインを模索する菜穂子に、自分で思っていたよりも強く心を掴まれていたようです。

エンディングの「ひこうき雲」でさらに涙が。
荒井由実時代の曲なのに、「この映画のために書き下ろしました」と言われたら信じてしまうくらいに映画とぴったり。
固定なイメージがつかない、広がりのある言葉を選ぶ詞のセンスが素晴らしい。

小学校高学年くらいなら大丈夫だと思うけど、幼児にはこの映画はお勧めしない。
良さがわかるにはある程度の知識を要する映画だと思う。
大正時代から太平洋戦争終戦までの歴史と当時の風俗、結核が死に至る病だったことなど。
トーマス・マンの魔の山もあらすじくらい知っておいたほうが良いかな。
「楽しむには知識が必要」と言うと気を悪くする人がいたりするけど、そういう心理はよくわからない。知らないなら知ればいい、それだけ。
よほどマニアックな知識がないと楽しめないというのは娯楽映画として失格だけど、そこまで特殊な知識ではなく、中学の授業で習うようなことや、ネットで検索できることなら今からでも知ったほうが楽しいのに。

追記:
門前の小僧もしくは習うより慣れろ式に大人の見ているものを理解する子どももいるので、子どもに見せること自体は反対じゃない。映像と音楽の美しさから吸収するものもあるかもしれない。
でも、自宅で寛いで見るならともかく、「外出先+2時間じっとする」という条件では難しいし、子どもにも周囲の観客にも不幸。

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2013年3月30日 (土)

眉唾だけどキライじゃない

テレビを点けたら成宮君がローマの遺跡を歩いていて、「世界遺産“三大迷宮”ミステリー」という番組らしい。
とりあえず録画設定にして、ところどころ視聴。
「相棒」でも感じたんですが、成宮君が以前よりも長身に見える。
「イシス」が言いにくそうで「すごい」連発だったけど、ローマの遺跡を目の当たりにした時に、そういう反応になるのはわからんでもない。

かなりトンデモな内容だったけど、この手の番組を眉に唾つけながら見るのはわりと好きです。
「ダビンチコード」みたいな。
NHKスペシャルでこういう内容だと眉を顰めてしまうけど、テレビ東京だと笑って許せてしまうのは何故でしょう。
ここ数年こういう番組がなかったけど、虚構と事実の入り混じったものを楽しむ余裕がようやく出てきたんだろうか。

ただ、あくまでも「眉につばつけながら楽しむ」ことが重要で、NHKでトンデモ説を取り上げてほしくないのは、真に受ける人が出るから。
特に「大河ドラマ」では脚色は「そういう解釈もあり得る」という範囲にとどめてほしい。
「篤姫」の家定の描き方は「そういう解釈もあり得る」という域を超えていたのに、信じてしまった人も少なくなかったようで、「家定はほんとはイケメンで頭が良かったのよ」とか言われるとモヤモヤする。
昔の水曜時代劇、今のBS時代劇なら、多少のトンデモ解釈は許容できるのだけど、真に受けるタイプの人たちというのは、意外と娯楽色の強いドラマを見なかったりするのだな。


決してトンデモではなく、真面目な内容の番組ですが、去年の1月に録画していた西島秀俊がナビゲーターの「日本人は何を考えてきたのか 第3回 森と水と共に生きる~田中正造と南方熊楠~」をようやく見ました。
理系の人らしく論理的で明快な南方熊楠の言葉を抽象的な言葉に置き換えて説明する中沢新一を見つめる西島秀俊の表情がちょっとツボでした。
「何いっとんねん、この人」みたいな感じで(←あくまでも私の印象です)。

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2013年1月 9日 (水)

八重の桜 第一回

面白かった。
時代背景も人物の描写も違和感なく、点が線につながって、「んなわけないだろ」と突っ込まずに見られる大河ドラマっていつ以来かと。
なんなのでしょう、この安定感は。
久しぶりに中村梅之助を見られたのもうれしかった。
「花神」をリスペクトしているなら、この先も期待できそう。
脚本家は歴史好きというのは本当なんですね。

追鳥狩で容保にとりなしてもらったことで、容保の優しい人柄に山本家の人が感じ入り、八重が「お役に立ちたい」と強く思うという展開はとても秀逸。
西郷頼母の度量、一緒にいた男の子たちの潔さも描かれて、ヒロイン持ち上げ話になっていないのが爽快。
これが何年か前のスイーツ大河(笑)なら、殿様が「見所のあるおなごじゃ」とか言いそうで、ヒロインがいかに周囲に認められているかの話になりそうだけど。
スイーツ大河(笑)が嫌いなのは、時代背景の描写が酷かったというだけでなく、人間関係の描き方が歪だったのも大きかったと今更ながら思う。

プロデューサーが不安材料だったけど、これは杞憂で済むかも。
やればできるじゃん(←上から目線)。

好きな俳優が(おそらくきっと)出来の良い大河ドラマに出演するのを見るのは無上の喜び。

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