カテゴリー「旅行(フランス以外)」の5件の記事

2011年7月12日 (火)

清水義範夫妻が旅したイタリアとイスラム圏

パスティーシュ小説の名手・清水義範の旅行記を二冊読了。
「夫婦で行くイタリア歴史の街々」と「夫婦で行くイスラムの国々」
出版されたのはイスラム編が先だけど、読んだのはイタリア編が先。

「イタリア歴史の街々」前半の南イタリアは、私が行った場所とかなり重なっていたので、自分の旅を思い返すような気持ちで読み進み、忘れていることも多かったので記憶の補完にもなりました。
私はナポリからシチリアに向かって南下したので旅した順序は逆だけど。

旅行エッセイを読んでいて、あまりにも丈夫な胃の持ち主も、「梅干とほうじ茶は欠かせません」という人も、どちらも「一緒に旅をするとたいへんそうだな」と思うのだけど、清水夫妻は胃を休めるために街で食材とワインを買ってホテルの部屋で夕食を摂ったりはするけれど、ガイドがセッティングしてくれた中華レストランに行くのは断り、「イタリアに来たからには中華ではなくピザやパスタを食べたい」というくだりに強く深く共感。
そう、旅行中は胃を休めたい時があるけれど、それは食べる量を軽くしたいだけで、和食や中華が食べたいわけじゃないんである。
旅行で行きたい場所や食べ物の好みが奥さんと一致しているのも好ましい。
街で買ったチーズとトマトに機内食の塩をふった手製カプレーゼが美味しそうだった。

本を書くために特別にアレンジされた旅行ではなく、旅行社主催のパッケージツアー参加の旅行記なので、特別な出会いとか危機一髪のハプニングがないかわりに「未知の街に出かけて見たり聞いたりすること」の純度の高い楽しさが詰まっている。
そんな中で意外と大変そうだと思ったのが雨のヴェネツィア。
バスがホテルに横づけできないので、人もスーツケースもゴンドラでホテルまで運ばれるけど、スーツケースの中のものまで雨に濡れてしまったというエピソード。
ヴェネツィアは都会なので、行くとしたら楽勝だと思っていたけど、そういう落とし穴があったとは。

平和なイタリア編を読み終わって、イスラム編も同じような感じかなと読み始めたら、これがとんでもなくたいへん。
気候の違いも大きいし、特にアララト山に行ったあたりの話はハードです。
行き先によってはパッケージツアーもこんなハードな旅行になるのか。
塔の階段でヒーヒー言ってる場合じゃなかった。
それと、旅先で土地のお酒を飲むのは旅行の醍醐味のひとつだから、イスラムの戒律の厳しい国へは「ここへ行きたい」という強い意志がないと行けないなーと思う。


「夫婦で行く・・・」を読むとパックツアーも悪くないなと思えてくると同時に、パックツアーを利用していた時に漠然と感じていた違和感の正体がなんとなく見えてきた気がする。

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私がパックで旅行したのは南イタリアとトルコなのだけど、どちらのツアーも参加者は旅行回数十数回という猛者が大半で、「初めてのヨーロッパなのに、なぜここに?」と珍しがられたりした。
10数回もツアーで旅行する人たちは、「旅行は趣味だけど、どこか積極的に行きたい場所があるわけではなく、いろいろ手配したり自分で細かい計画を立てるのは好まず、パンフレットを見て行き先を決める」タイプが多いと思う。
そういう人たちはリピーターになるし、「可能なら個人で行くわ」派は、必ずツアーを利用するわけではないので、旅行社にとってはツアーを利用してくれるほうが良いお客さんなのは言うまでもない。
ただ、そうなるとツアーの内容も自ずと「旅行そのものが趣味」派に合わせたものになり、そこに、「どうしても行きたい場所があって、そこに行く手段の一つとしてツアーを選んだ旅行者」が参加すると、なんとなく温度差が生じることになるのかな、と。
その温度差が違和感の元で、1人参加だったために、それをより強く感じてしまったのかもしれない。
それと、1人参加は食事の際に気を使うことが多くて、家族5人のテーブルに1人で座るハメになった時の気まずさたるやすごかったし、テーブルでお酒を飲むのが自分ひとりという状況もかなり辛かった。

清水義範夫妻のように気のおけない連れとの2人参加ならパックツアーでも食事時の気まずさは避けられそうだし、温度差にも敏感にならずにすみそうだけど、今は連れがパックツアーを敬遠しているので、世の中ままならないものである。
いえ、個人旅行は楽しいっすけど。


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出張とか長期滞在とか、自分の希望や意思でない場合は別として、旅行に行ったら現地のものを食べるというのは当然のこと、と思っていたけど、それが当然ではない人たちが意外といるみたいである。
欧州に何度も旅行した人から「パリのラーメン屋に行った?」と行くのが当然のように聞かれてキョトンとしてしまったけど、その人はパリでは専らラーメンを食べて、いわゆるフランス料理はほとんど食べていなかったことが後に判明。
その後華流と韓流にはまったので、本来アジア嗜好の人だったのかもしれない。
グアムに行くのに日本料理店について熱心に情報交換している現場に居合わせたこともあった。
いずれも出張とか長期滞在ではなく、長くて10日程度の観光旅行の場合、です。
自分の意思でなく、よんどころない事情で滞在しなくてはならない人が現地の食事に興味を持てなくても、それはしかたがないと思うけど、好きで行く旅行なら、食事も楽しみたいと思う私です。

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2010年7月17日 (土)

旅行の復習

旅行中、スーツケースのロックの調子が悪くなって開閉のたびに汗をかいてしまった。
完全な故障ではないけれど、このままでは安心して旅行ができないし、連れが持っているファスナー式ハードケースが使いやすそうでうらやましく思っていたところだったので、思いきって買い換えを決断。
ネットなどを見て検討の末、プロテカスペッキオにしようと心に決めてお店に行ったら、折りよく同じ型と機能で若干安い70周年記念の限定モデルがあったのでそちらを購入。
色はパールレッド。
次の旅行はまだまだ先だけど、なんとなくウキウキ。

初めてスーツケースを買った時は大きさと色と値段くらいしか気にしなかったけど、3個目ともなるとフレームの他にもハンドルの操作性とか車輪の構造などなどチェックポイントも増えてきて、こうやって自分に必要なものが何かを知っていくんだなーと妙にしみじみ。
旅行の準備は「自分が快適に過ごすために何が必要なのか」を問い直す機会でもあったりする。

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その他、旅行で役に立ったアイテムなど

ソルターウェイトチェッカー
持ち上げて荷物の重量を計測する器具。
特に荷物が多いほうではなく、重量オーバーしたこともないんだけれど、転ばぬ先の杖として。
航空会社のカウンターでドキドキしないで済むので精神衛生上もよろしい。

☆ハワイアンドライタオル(大)
体を拭くのはコットンのタオルじゃないといやだけど、これは洗濯物を乾かすのに使用
吸水性と速乾性にすぐれているので、洗濯物の水分を吸い取った後、干しておけば翌日また使える。たいそう役に立った。

☆セームタオル(小)
髪を乾かすのに使用


次回持っていこうと思うアイテム

☆小型のピンチハンガー
以前、旅行用品として販売されているコンパクトなピンチハンガーを持っていったら壊れてしまったため、以来ひも付きピンチと荷造り用のひもを持っていっていたけど、それならいっそ普通に売っている(旅行用品でない)ピンチハンガーにすればいいと思い至った。

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2009年7月 1日 (水)

風街みなと~イスタンブール

「風街みなと」のイスタンブールの回を見ました。
番組ではエジプシャン・バザールのスパイス屋さんをフィーチャーしていたけど、個人的に注目したのはサバサンドの屋台船。
「屋台の船が揺れる」ということは、まのとのまの「無敵のトルコ」で読んで知っていたけど、想像していたよりもひどい揺れだったので驚いた。
見ているだけで酔いそうなくらい揺れていた。

トルコへは前にツアーで行ったけれど、遺跡数箇所とカッパドキアを巡る旅であったため、イスタンブール観光は駆け足。
食べたかったもの、見たかった場所、もっとじっくり見たい場所と、いろいろと宿題を残してしまった街です。
船の屋台のサバサンドはその一つ。
自分でも作ってみて美味しいのは確認済みだけど、やはり現地で食べてみたい。


イスタンブールは「個人旅行でも大丈夫」というのが自由時間に一人で歩いてみて得た感触。
ただし、貴重品はセーフティボックスに預けてじゅうぶん注意すれば、ですが。

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2009年6月11日 (木)

旅行雑記2009~2日目はブリュッセル

Bruxells_1 Bruxells_2

ブリュッセルの一夜が明けて、本格的なブリュッセル観光を始める前にパリ行きのタリスのチケットを確保する。
中央駅のみどりの窓口(?)でチケットを購入してから、国鉄でブリュッセル・ミディ駅へ移動し、TTGVで着いた時に所在と使い方を確認しておいたコインロッカーにスーツケースを預けた。
スーツケースが2つ入るコインロッカーは使用料4ユーロ。
荷物に関してはフランスよりベルギーのほうが観光客に優しい気がするけど、治安が良いからだろうか。
地下鉄の自動販売機でメトロとバス共通の1日券を購入し、観光の始まり。

Art-Loi駅で降りて、公園を通り抜けて王宮前に出る。
公園のマロニエの木は今まで見た中で一番大きい。
それから楽器美術館~マグリット美術館を見ながらベルギー王立美術館まで歩く。
ブリュッセルは意外と坂が多い街です。

ベルギー王立美術館は、古典絵画部門だけでも日本の美術館なら優に三館くらいは作れそうな質と量。
ブリューゲルの冬の絵を見られたのでとても幸せ。
他に印象的だったのがダヴィッドの「マラーの死」。
フランス革命関連の本に載っているのを見て、いつもどこかしら怖さを感じていたこの絵と、ここで出会うとは思わなかった。

地下階への階段が通れなくなっていて、近代絵画部門があるという地下階には行かなかったのだけど、マグリット美術館に移動したんだろうか。
スピリアールトの絵が見られなかったのがちょっと悔やまれる。


昼食はグランプラスのカフェでサンドウイッチとAflligemというビール。
ここでもサンドウイッチの付け合せのマーシュのサラダが美味しい。
ベルギーは野菜が美味しいところだと思った。


食事後、グランプラスの王の家の内部を見学。
ステンドグラスには欧州各国の古来の王国名と紋章の数々が描かれていて、それを見るだけでも楽しめた。
最上階にあった小便小僧のコスプレの数々には大爆笑。
本家本元の小便小僧は見に行くのをパスしたのだけど、ここで出会うとは。
小僧たちが身につけている衣装の数々はなかなか手の込んだ本格的なもので、写真撮影不可だったのが残念です。
ちなみに日本のコスプレは鎧兜でした。

ブリュッセル観光最後の目的地はオルタ美術館。
初めて建築様式にアール・ヌーヴォーをとりいれたヴィクトル・オルタの自邸です。
開館が14時からということで、そのためにパリ行きのTGVの時間を予定よりも遅くしたくらい外せないと思ったところ。
14時をちょっとだけ過ぎて到着すると既に長蛇の列。
ここも写真撮影不可で、受付でリュックと帽子を預けさせられた。
建物全体が軽快かつ優美で、東洋的な調度品が多かった。

なお、オルタ美術館は元々個人の邸宅ということで、こじんまりした建物なので観光客用のトイレはないのかと思ったら、地下にモダンで機能的なトイレがありました。

ブリュッセルで「へぇぇ」と思ったのがフリット屋さん。
ポテトフライは付け合せではなくメインなんですね。
「ポテト○○はお付けしますか?」という世界らしい。

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2009年6月 7日 (日)

旅行雑記2009~1日目はブリュージュ

ブリュッセル・ミディ駅に到着。
タクシーでホテルに向かい荷物を預けて、中央駅から鉄路ブリュージュへ。
インターシティの列車のダイヤは総体的に遅れ気味。
しかも10:00発の列車の出発ホームが変更になったのが10:02で、大慌てで別のホームに移動することになってしまった。
今のところフランスでは電車の遅延に遭ったことがないのだけど、1時間ちょっとしか離れていなくても、国が違うといろいろと違うもんだなーと思った。
6、7分の遅れでブリュージュに到着。


早めの昼食を摂ろうと思ったら、お目当てのレストランのランチタイム開始まで間があったので、遊覧船に乗ることに。
運河をちょこっと巡っておわりかとおもったら、遊覧コースはかなり広範囲だった。
ガイドさんの解説は、フランス語、フラマン語、英語、たぶんドイツ語もあったような。
Brugge_1 Brugge_2

そして、ビール醸造所のレストランで昼食。
クロケットと付け合せのサラダがとても美味しかった。もちろんビールも。
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食事後は徒歩でブリュージュの街を散策。
以前来たことのある友人が「ブリュージュに行くなら是非晴天の日に」とアドバイスをくれたけど、抜けるような青空の下のブリュージュの街は笑っちゃうくらいに可愛くてきれい。
ジブリの「猫の恩返し」に出てきた街並みそのまま。(「耳をすませば」にも少し出てきた)
ケベックやアルベロベッロも相当お伽話チックだったけど、ブリュージュはさらにハイクォリティにお伽話風。
Brugge_4


その後、DUMONでチョコレートを買って、ブリュッセルに戻りました。

夜はグランプラスにあるケルデルクで食事とビール。
夜といっても明るいし、グランプラスは折りしもジャズ・マラソン開催中でとても賑やか。
でもうるさくはなくて、とりたててジャズ好きというわけではないけれど音楽が心地よい。
演奏された曲で唯一知っていたのが「Come fly with me」。
旅行中に聴くにはまことにふさわしい、気分の良い曲。
料理は、私はムール貝、連れはビーフシチューを注文。
ムール貝も美味しいことは美味しかったのだけど、ここはビーフシチューが得意料理であるらしく、連れの料理のほうが美味しかったのがちょっと悔しい。

食事の後は腹ごなしも兼ねて近くをお散歩。
イロ・サクレ地区(食い倒れ横丁)を歩いたり、パサージュを歩いたり。
パサージュの中の映画館では「PONYO」というタイトルで「崖の上のポニョ」と、それから「歩いても歩いても」を上映中だった。

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