カテゴリー「ドラマ(日本)」の54件の記事

2022年1月23日 (日)

2021年のドラマを振り返る

映画の感想はわりとマメにアップするけど、ドラマは流れが速いのでつい忘れてしまう。
以下、去年放送のドラマについて備忘録的に。

1月~3月
天国と地獄
綾瀬はるかも高橋一生も好きだし、ジェットコースター的展開の話って、そんなに見ないのだけど、これは毎週欠かさず見てしまった。
終わってみるとに日高陽斗はさほどサイコではなかった気もするけど、高橋一生の入れ替わりの演技が最高だった。
中身が日高陽斗の綾瀬はるかも緻密に演技していて素晴らしい。
八巻とか他のキャラクターも面白かった。
この手の話ってオチがイマイチだったりすることもあるけど、ちゃんと満足感を得られる終わり方でした。


俺の家の話
謡曲とプロレスの合わせ技がこんなに面白くなるとは。
能楽師とプロレスラーの共通項が「体幹」とか目の付け所がすごい。
寿一と秀生が親子で舞う場面が好き。
スパ・リゾートハワイアンズの旅行の回も。
いつもは「上手い」と思う西田敏行に、このドラマでは凄みを感じました。
唐突に物を言うタイミングが、演技じゃなくて素なんじゃないかと心配になったくらい。
(その後、着実にドラマに出演しているから要らざる心配だったが)

終盤、謡曲「隅田川」で、舞台に梅若丸の亡霊を出すか否かという演出についての世阿弥と元雅のエピソードに芸能の奥深さを感じたけど、寿一の「俺が息子だったら出てくるよ、だって会いてえもん」から最終話の展開は、もう泣けて泣けて。

隅田川を最初に読んだのは少年少女文学全集だったけど「狂女=母親」の気持ちで読んでいて、梅若丸の視点で考えたことがなかったのです。
子どもだったのに。
梅若丸はお母さんに会いたかったという視点で考えたのは何故か初めてだった。
酷い奴らにかどわかされて、知らない土地に連れて来られて病気になって、お母さんに会えないまま病気で死んでしまった梅若丸。そうだよね、会いたかったよね、と。


4月~6月
大豆田とわ子と3人の元夫
軽妙な会話とそこに差し引きする感情の深さが良かった。
3人の元夫がそれぞれ一癖ありながらダメンズがいないのも良かった。
ダメンズに悩む話なら別にいくらでもあるから。

最初の夫八作と親友かごめとの三角関係が好き。
6話で亡くなるかごめがその後もとわこと八作の中で存在を続けていて、この感じ、「ホテル・ニューハンプシャー」に似ている。
「死は生の対極としてではなく. その一部として存在している」ですね。
この言葉は村上春樹の「蛍」(とノルウェーの森)だけど。

三番目の夫・中村慎森の無機質さと不器用さも、すごく好き。


イチケイのカラス
設定としては非現実的な部分もあったけど、面白かった。


珈琲いかがでしょう
コーヒーは飲まないのだけど、物事へのこだわりは好きだし蘊蓄も好き。
最初のほんわかとした雰囲気と後半のハードな展開のギャップに戸惑う部分もあったけど面白かった。


シェフは名探偵
主演西島秀俊なので、文句なしに視聴リストには入るのだけど、そうじゃなくても見たとは思う。
いわゆるヌーベル・キジーヌではない、フランスの地方料理の数々が出てくるのが楽しみだった。
別記事にも書いたけど、原作を読んでみて、原作をとてもリスペクトして作られたドラマなんだとわかった。
志村シェフとソムリエの金子さんの原作にはない掛け合いが面白かったです。
「志村、後ろ!」とかね。
志村シェフ役の神尾拓を見直しました。
これまでのクールなエリート役も良かったので見直したっていうのは変だけど。


10月~12月
アバランチ
細かい所を突っ込むとアレですが、余韻を残しつつモヤモヤしない終わり方なのが良かった。
最終回、「ここからが雪崩の始まりです」の木村佳乃の笑顔はゾクゾクしました。
総理大臣役の利重剛は、ダメ大臣だと思わせて見せ場を作るのに適切な配役でした。


オリバーな犬
オダギリジョーが犬役の脱力系のドラマだったけど、こういうのを作れてしまうのもNHKの底力。


初回放送時期不明
土方のスマホ
わりとこういうのもNHKならでは。
昔はフジテレビもこういう遊びをしていたけど、ここ10数年なくなってしまいましたね。
スマホ画面と声と着信音だけで構成されているのに、雰囲気が出ているのが凄いです。

 

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2021年12月19日 (日)

シェフは名探偵~ビストロ・パ・マルのレシピ帖

今更だけど、初夏の頃に放送されたドラマ「シェフは名探偵」の原作を読んでいます。
「タルト・タタンの夢」、「ヴァン・ショーをあなたに」、「マカロンはマカロン」の3作。
旅行に行けない気晴らしも兼ねて。

スープ・オウ・ピストゥ、タルタル、ブイヤベースetc.、フランスの地方のビストロ料理が次々出てくるのがドラマの大きな楽しみだったけど、原作を読んで、料理とエピソードの一つ一つが原作を尊重して作られていたことがわかった。
三舟シェフの外見とかソムリエの金子さんはドラマと原作で違うんだけど、ドラマのイメージが定着しているので本もそのイメージで読み進めている。

で、「ビストロ・パ・マルのレシピ帖」が出ていることを知り、Kindle版をダウンロード。
料理の数々を写真で見るのも楽しい。

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2021年12月12日 (日)

土俵が違うものを比較する愚

https://news.yahoo.co.jp/articles/6f2ec1ae693988561dc0e8a7d1bf818126399932
イカゲームに見る「日本のテレビドラマがダメな理由」 問題はカネと時間ではない

この手の韓流ドラマ推しの記事を見るたびにモヤモヤする。
そもそもカイジに関心がなく、同音異義語の区別が出来ない言語を使用している国のドラマを見るつもりはないけど、見た人が言う面白さとか出来の良さまでは否定しない。
でも、それをもって日本のテレビドラマを一括りにして比較するのは雑だと思う。

私の母は韓流ドラマが好きで、今はほとんど韓流しか見ない状態に陥っている。
帰省するたびに話題を持ち出し、私に無理やり見せようとさえする。
母が見ているのはBSで流しているものがほとんどだけど、その手の韓流ドラマのクオリティはどう見ても著しく低い。
上記の記事のコメント欄に、日本のドラマについて「カメラを固定して役者がその中だけで演技」云々と批判しているのを見かけたけど、母が見ている韓流ドラマはまさしくそうなのだが。
単調なカメラアングル・映像がいまいち、加えてオーバーな演技。
韓流ドラマもNetflixとそれ以外ではクオリティはかなり違うのではないか。

私はAXNミステリーの海外ドラマをよく見ているけど、欧米のドラマもクオリティは多種多様。
脚本がよく練られた高質な作品もあれば、日本の二時間サスペンスみたいなものまで玉石混交で、その中で取捨選択して視聴している。
(海外旅行中にフランスでチラ見したソープオペラはとんでもなく低俗だったから、日本に入ってくる時点にもフィルターはかかっているはず)
日本だってWOWOWのドラマなどは配役・脚本・演出と見ごたえがあるものが多いし、NHKも時々意欲的なドラマを放送している。(「岸辺露伴は動かない」とか、最近なら「オリバーな犬」とか)

ドラマをいちいち比較する必要はないけど、もしも比較するなら、ちゃんとした比較をしましょうよ、と思う。

ところで韓流好きのウチの母は以前は「相棒」を好んで見ていたけど、今はめっきり見なくなって韓流ばかりになってしまった。
で、母の場合、それと時期を同じくして思考力や記憶力の減退が見られるようになり、うつ病になった。
うつ病との因果関係は不明だけど、少なくとも依存症であることは確か。
そういう人は少なくない状況で、NHKと民放が韓流ドラマを流し続けることは非常に苦々しい。

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2021年6月 6日 (日)

ストレンジャー~上海の芥川龍之介

一昨年の年末に録画したドラマをようやく視聴。
松田龍平演じる芥川龍之介が佇まいから何から本当にぴったり。
渡辺あやの脚本も良いし1930年代の上海の雰囲気が素晴らしい。
時々こういう秀作を作ってくれるんですよね、NHKは。
松田龍平とこのスタッフで原作に忠実な「南京の基督」も見てみたいかも。
(映画はあるけど、芥川龍之介特有のシニカルさが薄れていたので)
若い男娼ルールーも良くて、「南京路に花吹雪」を実写化することがあれば黄子満を演じて欲しいくらい。

現在進行形の中国にはモノ申したいことが多々あるけれど、それはともかく「1930年代の上海」は無性に好きです。
パリとかフィレンツェとかに通じる普遍的な魅力を感じる。

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2021年5月30日 (日)

AXNミステリー(最近のお気に入り)

新作の中のお気に入りドラマ

アート・オブ・クライム 美術犯罪捜査班
美術音痴と変わり者の美術史家が事件を解決する話
美術に関する蘊蓄が楽しい。

アストリッドとラファエル 文書係の事件録
自閉症で極度に論理的で几帳面な文書係アストリッドとアクティブな刑事ラファエルが主人公。
アストリッドの描写と演技がとても素晴らしい。
立ち方・姿勢・歩き方・ちょっとした仕草に至るまで緻密な演技。
ラファエルとの交流で少しずつ変わるんだけど、日本のドラマだとそういう場合、現実に在りえないくらいに変化させてしまうけど、そこのあたりが抑制が効いていているところも好き。

紳士探偵L 魔都・上海の事件簿
1930年代の上海が舞台の本格ミステリー。
上海版シャーロックという趣で、音楽はかなりシャーロックを意識している。
衣装も豪華なセットも好みです。
紳士探偵と若い女性刑事のキャラクターが良いし、好みのタイプの美男美女でルックスも目の保養。
L役は玉木宏似で、玉木宏よりも好み。

韓流俳優もKポップはビジュアルも全く好みじゃない(むしろ嫌い)けど、中国人俳優は時々好みの人がいる。
香港のレオン・カーフェイは結構夢中になって、映画祭のゲストで来日した時は観に行ったくらいだったし。

フランスのミステリーは女性主人公にイマジナリーフレンドがいる設定が多い気がする。
アート・オブ・クライムは男性刑事にもいましたが。


アガサ・クリスティ特集の中で韓流ドラマの「復讐の女神」のCMが流れていたけど、全然「復讐の女神」じゃないのだが。
まあ、本家の英国でもこのところトンデモな展開のクリスティドラマを制作しているけど、外国翻案ものは登場人物の名前も変わるから、設定を変えてしまった場合はタイトルを使うのは不適切だと思う。
その点、三谷幸喜の「死との約束」は、今度も原作に忠実だった。
面白さでいえば前作の「黒井戸殺し」のほうが面白かったけど、「死との約束」は原作読了後のモヤモヤ感まで一緒。
そういえばデヴィッド・スーシェ版「死との約束」は「変えすぎて原作が思い出せない」系のドラマでした。

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2021年1月 4日 (月)

逃げるは恥だが役に立つSP

逃げ恥SP、いつもだと録画して後で視聴するのだけど、リアルタイム視聴してしまった。
後半のコロナ禍のくだりに当時(まだ1年経ってないけど)の緊張感と大変さを思い出した。
アルコール消毒液が買えないのが一番困ったな、とか。

これをお正月ではなくクリスマスSPとして放送してくれたら、忘年会やクリスマスで浮かれている人たちの意識を少しは変えられたのかも、と思ったりしたけど、東京都の感染者が800人超えの報道があっても忘年会してしまう人たちは「逃げ恥」は見ないだろうな。
もしくは「逃げ恥」を好んで見ていた人は忘年会に行ったりしないだろう。
実家に避難しているみくりさんにパソコンを届けるのにさえ気を使う平匡さんの爪の垢を煎じて飲ませたい。
(実際はネット通販で意外とスムーズに買えたけど)

緊急事態宣言中は仕事は基本自宅待機。
1か月に2回くらい出勤していたけど、その2回で一か月分の業務を処理しなくてはいけなかったので、ものすごく大変だった。
通常であれば「今日はここまでにして、明日また」みたいなことを出勤日にすべて済ませなくてはならなくて、そのストレスたるや半端でなかった。
結果的になんとかなりはしたけど、「なんだ2日でてきるじゃん」とは到底思えないほどのプレッシャー。
それでも雇用は維持できたので、職を失った人たちよりはずっと恵まれていると思うけど、あの変な緊張感はもう勘弁して。

春先はアルコール消毒液が入手困難だったし、感染者数が増えると自分も感染するんじゃないかと不安で仕方がなかったけど、今は感染対策をきっちりして危険な場所とかシチュエーションを避けていれば、よほど強力なスーパースプレッダーと遭遇しない限りは大丈夫な気がしている。
そこが春先とは違う点。

そういえば、やたらアクティブなスーパースプレッダーが出現した時にも思ったけど、今の状況で多人数の宴会とか帰省とか、アクティブな人に限って感染するのが非常に不思議。
毎日通勤電車に乗っても感染しなかったりするのに。
いっそ、そういう傾向のある人を率先してPCR検査したらよいのではないだろうか。

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2020年1月 5日 (日)

視覚的にダメ

年末年始の帰省中、録画した韓流ドラマを母が居間で見ていた。
以前から母の韓流ドラマ好きについては苦々しく思いつつも、年に数回しか会わないのだし、ここで文句を言って母の気を悪くするのも・・・と思って我慢しようとは思ったのです。
できるだけ画面を見ないようにしていたけれど、どうしても目に入ってくるし、母は母で話に夢中でそのドラマを集中してみているわけではなかったので、とうとうチャンネルを変えてもらった。
もうね、視覚的に耐えられなくて。
ストーリーとか台詞が安っぽいのは日本のサスペンスドラマにもよくあること。
嫌韓が理由かといえば、それも違う。
政治的な状況での反感なら中国に対しても感じることはあるけれど、そのために中国の映画やドラマを「安っぽい」と感じることはない。少なくとも日本で公開なり放映されるものについては。
NHKで放送している韓流の時代物でさえ予告が目に入るたびに色彩や構図が単調で見る気がしないけど、件のドラマは素人が撮ったのかと思うくらい酷かった。
バラエティ番組中に流れる再現ドラマ以下。
屋内も屋外も映像が妙に白っぽいし、光の使い方にも構図にも何の工夫もなく、俳優の顔が見切れてさえいる始末。
衣装も同じような色ばかりで、撮影効果を考えてスタイリングをしていないみたい。
こういうドラマをわざわざ放送している日本のテレビ局どうよ、と思う。

返還前の香港の映画には、かなりのおバカ映画があったけど、B級とは思っても素人とは思わなかったな。


で、年が明けてからのAXNミステリーは「家政婦は見た」一挙放送。
AXNミステリーの視聴目的は海外のミステリードラマなので、何もこれをお正月に放送しなくてもと思わないでもない。
前述の韓流ドラマと比較すると演出も撮影もプロが制作したドラマではあるけれど。
「名探偵ポワロ」の一挙放送を繰り返してくれても良かったのに。
(年末、一週間に二度ABC殺人事件とポワロのクリスマスを見たけど)


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2019年8月31日 (土)

最近のドラマ

金曜日の夜、「これは経費で落ちません」と「凪のお暇」をどちらも見たいため、前者を録画、後者をリアルタイム視聴している。
放送時間がかぶっているドラマをメディアがよく「○○対決」と煽るけど、今の時代、勝ち負けの問題じゃないと思う。
興味がなければどちらも見ないし、見たければ録画してでも見るし。

「凪のお暇」はOL時代のおざなりな「わかる」と友達と共感した時の「わかる」の微妙な違いに黒木華の演技力の確かさを感じました。
どちらかというと高橋一生と中村倫也目当ての視聴なんだけど。
高橋一生の「俺じゃないです!」に爆笑して、録画とリアルタイム視聴を逆にしようか、両方録画しようか思案中。

「これは経費で落ちません」、ベッキーの悪い秘書役がはまっていたけど、こういう役が出来るのに何故好感度にこだわったのかが不思議。こっちのほうが面白いじゃないか。

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2018年9月30日 (日)

義母と娘のブルース

主演俳優たち目当てで見始めたけど、ドラマ全体に満足。
娘が学校行事でいない時に夫婦でデート(最初で最後の)する場面が好き。
頼りなさそうな良一だけど、お店の予約とかワインの頼み方に人生の積み重ねが見えて、亜希子が平静を装いつつも良一の挙措にいちいちドキドキするのがまた良かった。
竹野内豊の「亜希子さん」の繊細な言い回しも。
年下のイケメンをふってでも、その時のトキメキを胸に秘めて生きていくことが腑に落ちた。
麦田の言い間違いもいちいち面白かったし、娘カップルも可愛かった。

脚本と出演者の好演と、すべてがハマッたドラマだった。
視聴率も良かったとのことで、好きなドラマが多くの人に支持されるのはなんとなくうれしい。
でも、視聴率がすべてではないので、このドラマの綾瀬はるかを称える一方で「精霊の守り人」を黒歴史扱いするのを見るとムカつく。
「八重の桜」が再評価されているのは喜ばしいけど。

MISIAの「アイノカタチ」もヘビロテ中。
元々上手いけど、「Everything」の頃より表現力が増している気がする。


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綾瀬はるかと石原さとみを比べる記事がいくつか出てきているけど、マスゴミってほんとに対立構造が好きだな。
「高嶺の花」は主演云々以前に脚本の問題だと思うのだけど。
シナリオ込み絶賛の「義母と娘のプルース」は綾瀬はるかなくしては成立しないから脚本がすべてとは限らないけど、「高嶺の花」は誰がやっても難しいでしょ。
綾瀬はるかは群を抜いて役の幅が広いけど、カヨコ・アン・パターソンは出来ない。(賛否あるけど、あれはケレン味も含めて石原さとみならでは)
それと、今のところ峯田和伸を活かせているのは岡田恵和だけの気がする。
その岡田恵和脚本の「この世界の片隅に」は結構良かったです。

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2018年4月18日 (水)

黒井戸殺しとオリエント急行殺人事件

三谷幸喜の次のドラマが「黒井戸殺し」という記事を見て、しばし考えて「ああ、アクロイドか」。
こういうセンス、好きです。

ドラマは、テレビ視聴者向けに若干ソフトにした部分もあったけど、まあ許容範囲。
随所に三谷幸喜テイストを織り交ぜながら、ドラマの終りでは原作の読後感みたいなものが感じられた。
「うん、クリスティの面白さって、これだよね」っていう感じ。
野村萬斎と大泉洋の演技の変化が絶妙でした。
エンディングも余韻があって良かった。
デヴィッド・スーシェ版の「ナイルに死す」のジャズをバックにダンスをする映像で終わるのが好きなのだけど、それに似た余韻。
犯罪に対しては厳しく対処しつつも、人間の心の弱さに対する痛みがあるっていうか。
翻案しつつ原作のポイントははずさない脚本と演出には安心感さえ感じてしまった。
スーシェ版の「アクロイド殺人事件」は珍しくトンデモ改変でいただけなかったので、なおさら。

背景の置き換えについても、地方の素封家とかは日本にも存在するので、「黒井戸殺し」は違和感なし。
前の「オリエント急行殺人事件」は、原作の「様々な人種が一つの家に集まる」というアメリカの金持ちならではの設定を日本に翻案したのがちょっと苦しかったけど。
それと、誘拐された女の子の名前は聖子ではなく雛子にして欲しかった。
デイジー→雛菊なので。

ちなみに、昨年末に観たケネス・ブラナー監督主演の映画はかなり改変されていて、そのあたりは好き嫌いが分かれるけど、ウィレム・デフォーのハードマン(子守の女の子の恋人)が印象的だった。
三谷版の池松壮亮(ドラマでは羽佐間)も良かったので、ハードマンってじっくりと描きたくなる役なのか。
メアリー・デベナムを演じたデイジー・リドリーがスター・ウォーズと全然違っていて、女優ってすごい。
映画のエンディングに流れたミシェル・ファイファーが歌う「Never Forget」が胸に染みる名曲でした。
音楽が良い映画やドラマには弱いです。

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