カテゴリー「ドラマ(外国)」の18件の記事

2017年3月21日 (火)

East of Eden

四大陸選手権の女子フリーでマライヤ・ベルの「エデンの東」を見て、音源についてググッてみた。
いえ、町田樹のプログラムから気になっていたんだけど、あの時は曲名だけで作曲家名が出なかったので、映画のサントラの一部なのかなと思っていたんである。
それにしては、おなじみのメロディが出てこないなと思ったけど。
1981年制作のミニシリーズの音楽と判明して、すっきり。
私が原作を読むきっかけとなったのがそのドラマで、持っていた文庫の表紙はドラマの場面写真だったのです。
メロディは映画版のほうがキャッチーだけど、エデンの東という物語の世界観を表現するならドラマ版をというのはわかる。
あ、でも映画版の旋律も捨てがたいので、ロミオとジュリエットみたいにミックスしてプログラムを作る選手が出てくるとまたうれしい。

それにしても、エデンの東のミニシリーズが放映されたのはスケーターたちが生まれる前だけど、これに限らず昔の曲を使ってプログラムを見せてくれるところもフィギュアスケートの楽しみ。
「ロシュフォールの恋人たち」なんて、選手たちが生まれる前どころか、親の世代が生まれてない頃だろうが。
音楽とか映画の世代間の継承がなくなりつつあることを寂しく思っているけれど、フィギュアスケートの世界では継承されているなと。

テレビドラマのミニシリーズって、長編小説の映像化に向いていると思う。
映画だとどうしても尺が足りなくなるし、連続ドラマは話を引き延ばすために余計なエピソードを入れたりするし。
その点、ミニシリーズなら原作の長さに合わせて回数を設定できるし、過不足なくドラマ化してくれるのでありがたい。
「風と共に去りぬ」も映画よりはミニシリーズ向きだけど、ヴィヴィアン・リーとクラーク・ゲーブルのイメージが強すぎるから難しいだろうか。いっそCGとか。
指輪物語は映画のSEEに満足しています。


で、音源が欲しくなって検索してみたら、最初iTunes Storeでは見当たらず、作曲家名「Lee Holdridge」で検索してみたらヒット。
というか、East of Edenで検索しても抽出されたのね。
アマゾンでものすごい値段になっていて驚いたけど、タワーレコードには入手可能な価格の輸入盤がありました。

過去の「エデンの東」についての記事はこちら

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2015年5月 5日 (火)

ポワロと非クリスティなドラマ

連休に入り、AXNミステリーの名探偵ポワロの連続放送を見ています。

「青列車の秘密」はわりと大胆な脚色。
ミレーユが設定も性格も原作とは全然違うけど、原作どおりのミレーユが出てきたら、かなりうっとうしいだろうから、これはアリだな。
許容範囲なんだけど、キャサリン・グレイとデリク・ケッタリングは、もう少し原作寄りが良かった。

「マギンティ夫人は死んだ」は比較的原作に忠実。
ウェザビイ家を割愛したのはドラマ的には良かったかも。
原作のアリアドニ・オリヴァ夫人はそんなに好きではなかったんだけど、ドラマではゾーイ・ワナメイカーが良い味を出している。
このイメージで読めば良いのか。
吹き替えの声も雰囲気が出ているなと思ったら山本陽子でした。

オリヴァ夫人の人気小説を戯曲化する話が持ち上がり、その作業に協力するためにオリヴァ夫人は脚本家の自宅に滞在することになり、同じ村に偶然居合わせた旧知のポワロの捜査に協力するのだけど、原作を無視してとんでもない改変をしようとする脚本家と、それを阻止しようとするオリヴァ夫人のやりとりが面白い。
最初に読んだ時は、脚本家のアイデアがあまりに突拍子もなくて「こんなこと、本当にあるの?」と思ったけど、トンデモ改変されたドラマを何度か見ることになろうとは。

で、ベネディクト・カンバーバッチ目当てで見た「殺人は容易だ」なんですが、そういうトホホな改変をされたドラマでした。
ベネ様の声が聞きたいし、原作を読んでいるからストーリーはわかるだろうと副音声で見たら、なんだかよくわからない。原作の重要な人物が出てこないし。
見逃したのかと思って、もう一度再生してみたけど、やはりホイットフィールド卿が出てこないし、犯人の年齢設定もキャラクターも違う。
で、ネタバレしてくださっているサイトのお世話になったけど、読んでびっくりである。
なんだか横溝正史かバーナビー警部みたいな話に変わってる。
まあ、ミス・マープル物ではない話にミス・マープルを出すわけだから多少の設定変更はあるだろうと思っていたけど、ここまでとは。
動機を全面的に変えちゃダメでしょ。

「ゼロ時間へ」は雰囲気は良かったけど、スケッチ旅行って最早ミス・マープルじゃないし。

探偵と役名を大幅に変えながら、動機は原作どおりのフランス版クリスティの評価が上がってしまいました。

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2015年4月19日 (日)

ミステリーの季節

毎年、春先になると「AXNミステリーは今なにをやっているのだろう」と気になり、調べると見たいドラマを放送しているので見る、ということが続いている。
今年も、気づけばモースは再放送中だし、ポワロのファイナルシーズンにヒクソン版ミス・マープル、ルイス、シャーロックと楽しみなドラマてんこ盛り。
「ルイス警部」はハサウェイが警部に昇進し、ルイスは一旦退職してから相談役的な立場で復帰。
責任がハサウェイに移り、補佐役になったことでルイスの雰囲気がモースの頃に戻った感じで、これはこれで好き。

これまでグラナダテレビのジェレミー・ブレットのシャーロック・ホームズ以外は認めない派だったのだけど、「SHERLOCK」を見てみてあっさり翻意。
これはこれでホームズだなと。
でも、ミス・マープルは相変わらずジョーン・ヒクソンとヘレン・ヘイズ以外は認められない私です。
といいつつ、カンバーバッチが出演する「殺人は容易だ」はちょっと楽しみにしているのですが。
原作はミス・マープル物ではないので、ミス・マープルをどう絡めているのか不安ではあるが。

「SHERLOCK」とかフランス版のクリスティドラマみたいに翻案が徹底していると「これはこれでありだな」と思うのだけど、中途半端な改変ならないほうがいい。
でも、なぜだかドラマを作る人はやりたがるんですね、中途半端な改変を。
小手先の改変で原作を台無しにしながら脚本家やプロデューサーがどや顔をしてると思うと腹立たしい。

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2011年2月13日 (日)

THE TUDORS完結

「THE TUDORS~背徳の王冠」が完結。
前半のキャサリン・オブ・アラゴンとアン・ブーリンのくだりは何度か映画化されているし、不要不急のエロが多くて辟易したけど、ジェーン・シーモア以降の話を映像で見たのは「ヘンリー8世の私生活」だけで、それもかなり駆け足に描かれていたので、ドラマで見られて良かった。
ヘンリー8世は最後の最後まで勝手な人なんだけど、若干柔らかくなった晩年も、瀕死の忠臣を宮廷まで呼びつけて、でも心から病状を心配はしている、というのが、いかにも「らしく」て面白い。

並んで埋葬するように遺言したほど三番目の王妃のジェーン・シーモアには特別の思い入れがあったのに、ドラマでは亡霊となってあらわれたジェーンにエドワードの育て方を非難されたのは気の毒であった。

メアリー・チューダー主人公の続編を望む声が多いようだけど、私はそれよりもヘンリー7世、王太子アーサーが存命の頃の話が見たい。
エピソードゼロ、みたいな形で。

ジェレミー・アイアンズ主演の「THE BORGIAS」が製作されるということで、今から楽しみ。
32歳で亡くなったチェーザレにはいくらなんでも年をとりすぎなんでないかいと思ったら、アレッサンドロ六世役とのことで、納得の配役。
予習を兼ねて「チェーザレ・ボルジア、あるいは優雅なる冷酷」と「神の代理人」を今から読み返そうかと思っているところ。

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2011年2月12日 (土)

警部とか警視とか

これまで見るタイミングを逃していた「予告殺人」(ジョーン・ヒクソン版)をようやく見ることができました。
ミス・マープル物のドラマでは、これと「鏡は横にひび割れて」「パディントン発4時50分」「スリーピング・マーダー」が完成度が高いと思う。
といっても、他の作品もジョーン・ヒクソン=ミス・マープルと古い街並みと洒落た会話が楽しめるので、それなりに好きなのだけど。

クラドック警部の部下フレッチャーに見覚えがあると思ったら、ルイス警部を演じているケヴィン・ウェイトリーではないですか。
ここでも良い味をだしていた。


その「ルイス警部」はルイスと部下のハサウェイ部長刑事のかけあいが面白い。
「主任警部モース」はインテリ上司と叩き上げの部下だったけど、今度は「叩き上げの上司とインテリの部下」コンビ。
「主任警部モース」は、モース自身がいわばオックスフォードの象徴のようなキャラクターだったからかオックスフォードらしくないエピソードもあったけど、ルイスが主人公になった分、物語の中で街や大学の果たす役割が大きくなっているような気がする。

ファンタジーにシェイクスピアにバーナード・ショーと、引用がたくさん出てくるけれど、そういう中で戸惑うルイスと、さらりと引用元を口にするハサウェイが面白い。
クリスティの登場人物も外国人のポワロ以外はしばしば古典の引用をするけれど、そういうのも楽しみの一つだったりする。


ハサウェイ役のローレンス・フォックスはジェイムズ・フォックスの息子ということで、お父さんの出演映画も何本か観ているはずなんだけど、伯父さんがエドワード・フォックスと知ってそっちに驚いた。
そーいえば伯父さんに似ているような気もする。

同じく「叩き上げの上司とインテリの部下」という組み合わせの「ダルジール警視」、部下のパスコー役のコリン・ブキャナンが「蒼ざめた馬」のマーク役だったと知って驚いた。
髪型と服装が違うだけでまるで別人に見える。

「蒼ざめた馬」は物語としては原作に忠実だし面白かったけど、マークの設定を学者から彫刻家に変えた理由がわからなかった。
パスコーだったら学者でもよかったのに。

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2011年1月11日 (火)

The Tudors 散りゆく花

AXNミステリーで放送している「The Tudors」の「散りゆく花」の回が思いのほか良かった。
キャサリン・ハワードの不貞発覚から処刑までを描いた回で、いつもは不要不急の裸やどぎつい描写が多いこのドラマだけど、珍しく余韻の残るエンディング。

キャサリン・ハワードはヘンリー8世の5人目の王妃で、浮気が発覚して処刑された。
男子出生を切望し、既にジェーン・シーモアに心を移していたアン・ブーリン処刑の時と違って、ヘンリー8世の側に汚名を着せてまでキャサリン・ハワードを排除しなくてはならない理由はなかったようだし、キャサリンの身持ちが悪かったのは事実なのだろうと思われる。
歴史上の人物は普通に強い人・賢い人が好きだし、これまでキャサリン・ハワードのことは「バカだなー」としか思わなかった。
史実を曲げて美化するのは大嫌いなので、キャサリン・ハワードが「実は全部冤罪でした」とか「賢い女性でした」といった180度の改変による美化だったら、嘘っぽいと思うだけでちっとも心に残らないと思うのだけど、彼女の愚かで軽率な行動を克明に追いつつ、死に臨んでは愚かな娘なりの一途さと精一杯の威厳を見せる、というふうに描いていて、こういう美化ならば好き。

「王妃になる前に結婚していたことにすれば、重婚罪には問われるけれど不義密通ではなくなるため、命は助かる」と逃げ道を提示されたにもかかわらず、結婚を否定して大逆罪(王に対しての不義密通)により処刑されることになリ、恐怖に震えながらも毅然として死を迎える。
とりあえず重婚を認めて、あと5年幽閉生活を我慢すればヘンリー8世の死去で自由の身になれただろうに、浮気相手(彼女にとっては真剣な恋)への義理立てと、好きでもない男と結婚したことにされるのがイヤで死を選ぶ。
15歳だと言えば死刑を免れるのに、正直に16歳だと言い張って火あぶりになった八百屋お七に通じる哀れさで、愚かな選択だけど、胸を打つ愚かさではある。
キャサリン役の女優が白痴美的な容姿なのもぴったりだった。

映画「大奥」(仲間由紀恵主演のほう)のように、史実では流罪だった生島を、ドラマチックにするために死罪に設定を変えたりするのは好きじゃないけど、史実はそのままに、ふとしたことで人間の尊厳をのぞかせるような美化のあり方ならフィクションとして許容できる。

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2010年7月 4日 (日)

歴史劇の衣装

ドラマ「王立警察ニコラ・ル・フロック」の7~8話「謀略を奏でる旋律」に登場した女装の諜報員は実在の「デオンの騎士」ということで、まさに事実は小説より奇なり。
リアル・オルランドみたいな人が実在して、外交官をやっていたというのが面白い。


ところで、ドラマの中でニコラの恋人サティンがドレスを脱ぐ場面があったのだけど、「そっか、スカートは別なのか」とか「コート?とブラウスはつながっているのか」とか「前あきに見えないけど前あきなのか」とか、スカートを膨らませるための骨みたいなのがついてるのね、とかいろいろと興味深かった。
こういう衣装の構造を見るのが昔から無性に好き。

以前、麻美れいと白石加代子の「メアリー・ステュアート」の舞台(のテレビ放送)を見た時も、舞台上で白いネグリジェの上にスカートとボディス(っていうの?)と袖をつけてドレス姿に変わる場面が面白かったし、名前も思い出せない外国映画だけど、きれいなドレスを着たヒロインがスカートと袖の飾りとベストを脱いでネグリジェ姿になったのが面白くてワクワクした記憶がある。
昔見に行った「ゼッフィレリの衣装と絵コンテ展」も、「ロミオとジュリエット」や「オセロ」の衣装の袖を紐で結んだところが面白かったし。
装着したり取り外したり、というのが好きなのかも知れない。


同じくAXNミステリーで放送している「The Tudors」の衣装も豪華なんだけど、こちらは刺激的に見せようとするあまりか、考証やリアリティにちょっと疑問が。
良家の子女のドレスを脱がせたらいきなり裸だったのにはびっくりしたし。
少し前に読んだ「ファッションから名画を読む」によれば、当時のそれなりの階級の女性は白いリネンの下着を身につけていたはず。
「The Tudors」は、一時期の東映時代劇のような感じなので、日本の時代劇の「帯びといてクルクル~」みたいな感じを出そうとしたのかもしれないけど、いくらなんでもやりすぎ。
それでなくても不要不急の裸や濡れ場が多いわりに、ドキドキよりもギョッとすることが多くて、裸を見てギョッとするのはどうなのかなーと思わんでもない。

「The Tudors」は脚本家が「エリザベス」の人ということで多少のけれんみは覚悟しつつ、若き日のヘンリー8世を描くというので期待していたのだけど、結局キャサリン・オブ・アラゴンとの離婚問題が起こるあたりからだったので、ちょっとがっかりした。
ヘンリー8世が王太子になる前か、いっそヘンリー7世がボズワースの戦いでリチャード3世を破ったあたりから描いてくれたら、まさしく「Tudors」なのに。

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2010年6月17日 (木)

オペラ座の怪人(1990)

留守中に録画しておいたバート・ランカスター主演の「オペラ座の怪人」を鑑賞。
これはずいぶん前にNHKで放送された時に見て強く印象に残っていた作品。
一度スカパーのペイパービューで放送されたことがあったけど、その時は見逃してしまって激しく落胆したものだった。
再び見ることが出来て本当に幸せ。
見逃していたら、さぞ落ち込んでいただろう。
といっても、洋画シネフィル☆イマジカで後何回か放送されるようですが。


「オペラ座の怪人」はマクシミリアン・シェル、ジェーン・シーモア、マイケル・ヨークが出演していたものと2004年のミュージカルの映画化も見ているけれど、この1990年のTV映画が一番好き。
オペラ・ガルニエでロケをしたということでリアリティがあるし19世紀末の雰囲気もたっぷり。
かなり脚色されているようだけど、怪人の背景や人間性がしっかり描かれていて、脚色された設定についてはガストン・ルルーの別の作品へのリスペクトと思えなくもない。
怪人が悲しみに沈む場面でピエロの仮面をつけるなど、ちょっとした演出のセンスも好き。
そして、なにより素晴らしいのが劇中劇ファウスト第五幕のフィナーレの三重唱。
マルグリートとファウストにクリスティーヌとファントムと重ね合わせた趣向が素晴らしく、自分の心情を直接言葉にのせて歌うよりも深みを感じる。
オペラ座ではミュージカルよりもオペラのほうが似つかわしいし(今はバレエを上演しているけど)。
クリスティーヌ役のテリー・ポロは、歌が吹き替えだと知るまでは「こんな可愛いオペラ歌手がいるんだ」と思っていたほど自然だったし、演技も申し分なし。
まあ俳優が実際に歌えればそれに越したことはないけど、映画やドラマに関しては演技力と役に合った容姿のほうが優先すると思う。
下手な吹き替えって、とかく俳優に声を出して歌わせないから咽喉の筋肉の動き方が歌と合わなくて不自然になるけど、俳優に声を出して歌わせた上でプロの歌をかぶせれば自然に見える。
映画「マイフェアレディ」もオードリー・ヘップバーンは実際に歌っていて音源も残っていたりするし。


オペラ「ファウスト」のCDを買ったのは、このドラマがきっかけ。
久しぶりに見たけど、まったく色あせていないし、三重唱の場面では不覚にも涙が出てしまった。
今回の放送で監督はトニー・リチャードソンということを知ったけど、「ホテル・ニューハンプシャー」と「トム・ジョーンズの華麗な冒険」の監督なら、そりゃ面白いはずだと納得。

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2010年5月31日 (月)

ニコラ・ル・フロックのパリへ

週末にパリ+α旅行に出かけます。
しばらく前から頭と気持ちをフランスモードにするためにと「王立警察 ニコラ・ル・フロック」の原作を読み始めたら、これが滅法面白い。
「ブラン・マントー通りの謎」の最初の10ページほど読んだところでハマリそうな気がしたので、「鉛を呑まされた男」、「ロワイヤル通りの悪魔憑き」も入手。
一気に読んでしまった。
小説をこんなに夢中になって読んだのは久しぶり。


物語の背景となるルイ15世当時のフランス国内の情勢や国際情勢、フランス宮廷のかけひきがきちんと描かれているので、ミステリーとしてだけでなく時代小説としても面白い。
パリとパリ近郊の地名が詳細に出てくるのでそれを地図とひきくらべながら読んでいるのだけど、ドラマでは街並みを視覚的に味わえるけれど、ロケをしている場所は当然違うわけで、あまり細かい地名を出すのは差し支えもあるだろうし、詳細な地名で足取りを追う楽しみは小説ならでは。
地名が指輪物語方式の直訳にカタカナのルビで表記されているため、地名の由来がわかるのもうれしい。「オレンジ園=オランジュリー」は「ああ、なるほど」と思ってしまった。
ニコラとブルドー行きつけのビストロの料理は今で言えばB級グルメということになるんだろうけど、どれも美味しそうで、そういうところも池波正太郎みたい(笑)。
ただ、牛脂を使うレシピが多いので、頭の中でオリーブオイルかグレープシードオイルに変換しながら読みました。
ドラマのポンパドゥール夫人はブーシェの絵の印象とは違う疲れた感じの人だったけど、原作を読んで納得。
亡くなる少し前という設定だったのね。


原作とドラマはところどころ設定が違っているけど、「文章で表現されている内容をいかに視覚的に見せるか」に配慮した脚色なので、話が進むにつれてニコラのキャラクターが脱線しつつあるものの、ドラマはドラマとして楽しめる。
そして原作を読んでみて、ニコラ役のジェローム・ロバートがイメージにぴったりだということを改めて認識。
ハンサムで職務に真面目で、でも据膳は食っちゃう男--選り好みするけど--がはまってる。
ヴィヴィアン・リーのスカーレット・オハラ、高橋幸治の織田信長、中村梅之助の村田蔵六、杉浦直樹の「あ・うん」の門倉と同じくらいのハマリ役(←ワタシ的に最大級の賛辞)。
原作とはかなり設定が変わっているけど、ラ・サティンを演じているVimala Ponsもコケティッシュで可愛くて、イザベル・アジャーニに似ているかな。
フランスのテレビ局は、「モンテクリスト伯」にジェラール・ドパルデュー(とオルネッラ・ムーティのメルセデス)という強引な配役でドラマを作ってしまったこともあったけど、ニコラ・ル・フロックの配役は文句なし。

※ドパルデューのエドモン・ダンテスは、土方歳三役を西田敏行を演じるくらい強引。
ジェラール・ドパルデューの「レ・ミゼラブル」は文句なしに良かったですが。
「モンテ・クリスト伯」は、舞台版の内野聖陽(テレビで見た)が一番原作のイメージに近いかな。「風林火山」や「臨場」とは違って二枚目然としていました。


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警視ニコラシリーズを読んで、ニコラの出身地のゲランドに興味を持った折りも折り、Bunkamuraザ・ミュージアムのミュージアム・ショップでゲランドの塩を販売していたので買ってきた。

Bunkamuraザ・ミュージアムでは「ストラスブール美術館所蔵~語りかける風景展」を開催中。
シスレー、コロー、モネなど好きな画家のほか、ストラスブール出身の画家の絵、抽象画じゃないカンディンスキー、ストラスブールを描いた絵で構成されていて、心地よい絵が多かった。
ストラスブールは今度の旅行先の一つで、こういう絵画を収集している美術館がある街ならば、実際に歩くのもさぞ楽しかろうと、旅行への期待も勝手に高めたのでありました。
観光の時間は限られていて美術館でじっくり絵画を鑑賞する時間がとれるかどうかわからないので、日本にいながらにして鑑賞できて良かった。

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2010年5月 9日 (日)

王立警察 ニコラ・ル・フロック

AXNミステリーで第一話を見たら面白かったので、早速予約録画リスト入り。
衣装やセットが本格的で、ちょっとベルバラの外伝みたいなテイスト。
ルイ14世、ルイ16世の時代は歴史的大事件が重なるので、ルイ15世の治世下と時代設定は物語を楽しむのにほど良い感じで、警察内の解剖の場面に「サンソン」がいたりと、歴史の小話としても面白い。
警視ニコラ役のジェローム・ロバート(ロベールじゃないのか?)がとても魅力的で、時折見せるくしゃっとした笑顔が素敵。
これなら身近な人たちに愛されるし、女性たちにも好意を持たれるわ。

これを日本に翻案すると「鬼平犯科帳」って感じだろうか?
そしてサンソン≒山田浅右衛門とか。

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